小豆は和菓子に欠かすことのできない食材ですから、寒い季節にはお汁粉、暑い季節には水ようかん、お祝いにちなんだ和菓子も多く四季折々の行事とともに楽しむことができます。

小豆の種類
皮の色はいわゆる「アズキ色」と言われるくらいですから、赤系の色が一般的ではありますが、白や淡い黄色、茶色や黒、斑点のあるものなど、実は種類があります。
高級品種は「大納言小豆」。大粒の品種で、煮ても煮崩れしにくく皮が破けにくいので、切腹のなかった位である大納言にちなんで名づけられたとも言われていて、縁起物として珍重されています。
小豆の栄養
主成分は炭水化物。でんぷんを多く含みます。また食物繊維も豊富。ビタミン類ではビタミンB1やビタミンB2、ミネラルではカリウムや鉄を含んでいます。
外皮に含まれている苦味成分はサポニン、皮の色素はアントシアニンによるものですので、栄養素以外にも機能性成分の効果も期待できます。
あずき 全粒 乾 | こしあん | つぶあん | |
エネルギー | 339キロカロリー | 155キロカロリー | 244キロカロリー |
炭水化物 | 58.7グラム | 27.1グラム | 54.0グラム |
水溶性食物繊維 | 1.2グラム | 0.3グラム | 0.5グラム |
不溶性食物繊維 | 16.6グラム | 6.5グラム | 5.2グラム |
カリウム | 1500ミリグラム | 60ミリグラム | 160ミリグラム |
カルシウム | 75ミリグラム | 25ミリグラム | 19ミリグラム |
マグネシウム | 120ミリグラム | 30ミリグラム | 23ミリグラム |
鉄 | 5.4ミリグラム | 2.8ミリグラム | 1.5ミリグラム |
ビタミンB1 | 0.45ミリグラム | 0.02ミリグラム | 0.02ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.16ミリグラム | 0.05ミリグラム | 0.03ミリグラム |
※すべて 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
小豆の健康効果
小豆にはカリウムが豊富に含まれており、体内の余分なナトリウムを排泄する作用や水分の代謝をよくすることが期待できます。
高血圧の予防や改善も期待できる効果です。むくみも改善されますね。
加えて皮の苦味成分であるサポニンにも利尿作用があります。血中のコレステロールの排出も促してくれて、血中LDL-コレステロールの低下作用が期待できます。
血中脂質バランスの悪い状態では、脂質の酸化が起こりやすく過酸化脂質が生成すると、老化や動脈硬化が心配されます。
サポニンには過酸化脂質の生成を抑制する働きがあります。
排泄効果という点では食物繊維も豊富ですから、腸の環境を整え便秘の予防や改善が期待できます。
色素成分のアントシアニンは抗酸化作用を持つことで有名な成分です。目の機能向上効果で眼精疲労の回復に役立ちます。肝臓の機能向上や回復の効果も報告されています。
カリウムによるナトリウム排泄作用にとどまらず、アントシアニンにも血圧上昇抑制作用があることから、高血圧へのアプローチが強まることが期待できます。
アントシアニンは色素成分で、目の健康に役立つ効果が注目されることが多いものですが、そのほかにも期待できる働きがあります。
たとえば内臓脂肪の蓄積を抑え、メタボリックシンドロームの予防に働きかける効果です。
小豆が含むさまざまな成分はメタボリックシンドロームの判定要件である血圧や血中脂質の数値にも好影響を及ぼすと考えられることから、生活習慣病予防に摂取したい食材ですね。
豆類は糖質が多いのではないかと心配される場合もあるかと思いますが、小豆には糖質代謝に必要なビタミンB1も含まれています。
和菓子のような砂糖をたくさん使う食べ方以外でも、小豆の摂取バリエーションを増やしていきましょう。
小豆の選び方
乾物の小豆から調理をする場合には、赤色が濃く、つやつやとしているものを選びましょう。しわがなく、粒がそろっているものが良いでしょう。
湿気が大敵ですので、保管の際は紙袋などに入れて風通しの良いところに置きましょう。
あんとしても製品化されていますから、上手に利用すれば気軽に楽しむこともできます。
小豆の食べ方
和菓子やお赤飯以外にも料理としても「かぼちゃのいとこ煮」が有名でしょうか。ほくほくとした食感が味わえますので甘さを多く加えない食べ方もできます。
甘みのあるかぼちゃとの食べ口の相性も抜群ですが、栄養素でも小豆があまり含んでいないβ-カロテンをはじめとするビタミン類をかぼちゃから摂取できるので効率の良い食べ合わせです。
乾物の小豆は一晩水に浸してから煮ていきます。ご自身であんを作るのは少し手間のかかる作業ですが、市販のものと違い甘さを自由に調節できるところが魅力です。
乾物のままの保存よりもあんにして冷凍保存した方が劣化しにくいので、少し多めに作ってみるのもオススメです。
小豆 まとめ

健康効果を活かすにはお菓子だけでなく料理へも、ぜひ利用してみてください。
スイーツというと洋菓子の人気は高いものがありますが、やはり気になるのがエネルギーや脂質。その点和菓子は甘さこそありますが、油脂の使用があまりありませんので、洋菓子に比べれば「控えめ」といったところでしょうか。
もちろん食べ過ぎには注意が必要ですが、たまには甘い物でほっこりするのも、やはり至福の時間ですよね。