種実類は脂質が豊富ですので、食べ過ぎには注意が必要。
でも脂肪酸組成に特色があって栄養価も豊富なことから上手に利用したい食品群です。

マカダミアナッツの種類
マカダミアナッツは意外にも加工品が多く出回っています。
お菓子やアイスクリームの類はもちろんのこと、ローストしてピーナッツなどほかの種実類と合わさったものや、素焼きのマカダミアナッツ単独でパッケージされているものもあります。
もちろん脂質が豊富なことから、油が抽出されてオイルとしてボトル詰めされているもの、ボディクリームなどに利用されている場合もあるんです。
思ったよりぐっと身近な存在ですね。
マカダミアナッツの栄養
なんといっても脂質が豊富。クリーミーな口当たりは脂質が豊富であることをうかがわせます。
脂肪酸組成では一価不飽和脂肪酸を多く含みます。
また、不溶性の食物繊維やカリウム、鉄、銅といったミネラル類を摂取することもできます。
エネルギー | 720キロカロリー |
脂質 | 76.7グラム |
飽和脂肪酸 | 12.46グラム |
一価不飽和脂肪酸 | 59.23グラム |
多価不飽和脂肪酸 | 1.56グラム |
不溶性食物繊維 | 6.2グラム |
カリウム | 300ミリグラム |
鉄 | 1.3ミリグラム |
銅 | 0.33ミリグラム |
※すべて マカダミアナッツ いり 味付け 100グラムあたりの値。
マカダミアナッツの脂肪酸(100グラムあたり)
飽和脂肪酸(12.46グラム) | パルミチン酸、ステアリン酸など |
一価不飽和脂肪酸(59.23グラム) | パルミトレイン酸など |
多価不飽和脂肪酸(1.56グラム) | リノール酸など |
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
マカダミアナッツの健康効果
種実類に属するマカダミアナッツは、脂肪酸のうち一価不飽和脂肪酸を多く含みます。
一価不飽和脂肪酸は血中コレステロール値や中性脂肪値の改善に有効に働き、脳血管疾患などの予防につながると期待されます。
さらに一価不飽和脂肪酸は多価不飽和脂肪酸に比べて「酸化しにくい」という性質を持っています。
EPAやDHAなどが分類される、コレステロールを減らしてくれる働きが期待されるn-3系多価不飽和脂肪酸の難点はまさに酸化しやすいところ。
過酸化脂質はむしろ悪影響を及ぼすので注意が必要です。
脂質は摂り過ぎるとエネルギー過多となることもさることながら、その内訳にも配慮が求められます。
飽和脂肪酸やn-6系の多価不飽和脂肪酸摂取比率が高くなりがちな現代人の食生活において、一価不飽和脂肪酸の供給源となる種実類はありがたい存在。マカダミアナッツはその中でも脂質の多い種実です。
マカダミアナッツに多く含まれている一価不飽和脂肪酸は、パルミトレイン酸。
血管を丈夫にする効果を持っており、脳内の血管にまで届いて血管の強化に働きてくれます。
さらに皮脂を構成する成分であることから、肌を乾燥から守るバリア機能もあります。
脂質含有量が高いマカダミアナッツは、たしかにエネルギー値は高くなるので、食べ過ぎにはくれぐれも注意。
でもわずかで満腹感が得られるうえ、不溶性食物繊維やカリウムといった摂っておきたい栄養素も摂取できるのであれば、間食の質の見直しにはなりそうです。
カリウムには体内のナトリウムと拮抗して働き性質がありますから、体内の余分なナトリウムの排泄に役立ち、高血圧を予防したり、むくみを解消したりしてくれます。
パルトレイン酸で血管を強固にし、カリウムによって血圧の上昇を抑えると、動脈硬化などを引き起こしにくい条件が揃うので、生活習慣病予防になるのです。
コレステロール値や中性脂肪値が高いから、エネルギーの高いものや脂質の多いものを控えようと考えることは大きく間違っているわけではありません。
でもせっかく健康に配慮するのであればもう一歩踏み込んで、脂質の質を吟味したり、役立つ成分を含む食品からエネルギーを摂取したりしましょう。
マカダミアナッツの選び方
大粒で球状のもの、肉質は緻密なものが良いでしょう。
一価不飽和脂肪酸が酸化されにくいとはいっても、やはり過酸化脂質の害に配慮して、開封後は密閉して冷蔵庫で保存し、あまり長く保存しないようにしましょう。
マカダミアナッツの食べ方
加工品は多いものの、菓子加工品として摂取するのはただでさえ多いエネルギー値をさらに加速させてしまいます。
素焼きのものをそのままつまむとか、あらく刻んだものをサラダやスープのトッピングに使うなどの取り入れ方が良いでしょう。
クリーミーなため、マカダミアナッツをトッピングすることでサラダのドレッシングやマヨネーズといった油脂類の量を減らすことができれば、ヘルシーだと言えますね。
マカダミアナッツ まとめ

でも種実にしては比較的柔らかい食感は使い勝手も良さそうです。ローストしても香り豊かでまた違った味わいも楽しめます。
そのまま数粒つまんで空腹感を紛らわすも良し、お料理への利用で新らたな魅力を発見するも良し。
日頃摂取する脂質の「質」にも着目して、食材の幅を広げてみてください。