春、桜の季節が終わると初夏のさくらんぼの季節がやってきます。
最近では食べ物の旬が薄れてきていますが、生のさくらんぼが出回る季節はさほど長くなく、今でも季節感のある果物ではないかと思います。
かわいらしい見た目と、洗ってそのまま食べられる手軽さ、甘酸っぱい味わいと、お好きな方も多いのではないでしょうか。

さくらんぼの種類
さくらんぼには品種がたくさんありますが、国産品と輸入品でこんなにも異なり、どちらも人気のある果物というのは珍しいかもしれません。
国産品はほんのりピンク色の見た目で上品な甘さ。「佐藤錦」が主流品種ですが高価なものは桐箱などに入れられ、まるで宝石のように並べられますよね。
食べやすい品種では「紅秀峰」があります。佐藤錦よりも少し大きめで酸味が少なく、日持ちもややする品種です。
見た目が黄色いものもあります。「月山錦(がっさんにしき)」という品種で、希少性が高いので少し高価で、普段使いとはいかないかもしれません。
輸入のものは「レーニア」「ビング」などアメリカの品種で、「アメリカンチェリー」として売られているものです。
色も赤紫色ではっきりとしていて、果肉は少しかため、甘みがしっかり味わえます。
さくらんぼの栄養
果実類からの摂取が期待できる、食物繊維やカリウム、ビタミンCはもちろん、葉酸などのビタミンB群も含んでいます。
10粒ほど食べても50キロカロリー程度にしかならないことを考えると、甘みや食べ応えといった満足度がありながら低エネルギーですので、ダイエット中に甘いものを食べたいといった欲求を満たしてくれるでしょう。
色素はアントシアニンによるもの。色の濃い、アメリカ産のものの方が多く含んでいます。
さくらんぼ 国産 生 | さくらんぼ 米国産 生 | |
エネルギー | 60キロカロリー | 66キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.1グラム | 0.6グラム |
不溶性食物繊維 | 1.1グラム | 0.8グラム |
カリウム | 210ミリグラム | 260ミリグラム |
ビタミンB1 | 0.03ミリグラム | 0.03ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.03ミリグラム | 0.03ミリグラム |
葉酸 | 38マイクログラム | 42マイクログラム |
ビタミンC | 10ミリグラム | 9ミリグラム |
※すべて 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
さくらんぼの健康効果
さくらんぼはダイエットに上手に利用したい食材です。食物繊維を含んでいるため、体内の余分なものを排泄してくれる効果が期待できます。
また低エネルギーでも甘さを感じることができるので、ダイエット中に甘いものをガマンするイライラ解消にも役立つでしょう。
さくらんぼには果糖が多く含まれています。果糖はショ糖やブドウ糖よりも甘さを強く感じるので、甘さをしっかり出しながらも低エネルギーということが実現します。
果糖は少し冷やすのが甘味をしっかり感じるコツなので、食べる前には冷やしておくと良いでしょう。
体内の余分なナトリウムを排泄するカリウムも含んでいますから、生活習慣病予防のおやつとして、お菓子からさくらんぼにシフトするといいですね。
機能性成分ではケルセチンやアントシアニンを含んでいます。
ケルセチンは血液の粘度上昇を抑えてくれたり、血管を丈夫にしてくれたりする働きがあるため、動脈硬化の予防に役立ちます。抗酸化作用も持っています。
また抗酸化作用の強さで言えば、アントシアニンが優秀です。。
種々の生活習慣病対策にも活性酸素の害から身体を守っていきたいので、抗酸化作用を持つ成分に期待が集まります。
加えてダイエット中は肌の調子が乱れることも多いので、同じく抗酸化作用によって美肌もキープしたいものです。
ほのかな酸味はクエン酸やリンゴ酸によるもの。疲労回復効果が期待できます。酸味は甘みをよりおいしく引き立ててくれるものでもあります。
ただ甘いだけでなく少し酸味がきいているからこそ、さくらんぼの味わいがより一層引き立つのです。
さくらんぼの選び方
粒が大きくて果肉がしまっているようなものが良いでしょう。表面はなめらかで、傷がないかを確認しましょう。
柄の部分もピンとして、しおれていなかを見ると鮮度がわかります。
冷蔵庫での保存よりも室内の涼しいところでの保存くらいが程よい環境です。
果糖の甘さを感じるために冷やす場合には、食べる2時間くらい前から冷蔵庫に入れると良いでしょう。
さくらんぼの食べ方
洗ったまま食べられるということは、手軽ですし栄養素の損失が少ないという利点があります。
水溶性のビタミン類の溶出も防ぎたいので、さっと洗いましょう。
ヨーグルトと組み合わせると、栄養素が補いあえるうえ、甘みと酸味のバランスも良く好相性です。
さっと洗ったさくらんぼは種ごと冷凍保存もできますので、冷凍したものをそのままヨーグルトに入れるのも手軽なデザートとして楽しめます。
さくらんぼ まとめ

気温が上がり始めると体調も何かと崩しがちです。
さくらんぼをおやつ代わりに、葉酸やビタミンCを補給して貧血も予防しながら夏に備えて体調を整えていきましょう。