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ぶどうの栄養 カロリーと健康効果&上手な選び方と調理方法 食べ方・ポリフェノールも

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ぶどうは生食されることが多いと思いますが、旬のシーズンでも品種によっては高価な果物というイメージをお持ちでないでしょうか。

けれどレーズンやワインなど、思いのほか私たちの生活でぶどうの加工品は身近な存在です。

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健康面でも注目を集めることの多い食材ですので、見てみましょう。

ぶどうの種類

日本では生食用の生産が一般的ですが、生食用だけでも大変多くの品種があります。

皮の色は巨峰のような紫系のものと、マスカットのような緑色のものがよく知られていますが、同じ紫系でも濃い紫のものから赤っぽい色まで品種によって濃淡さまざまあります。

粒の大きさもピオーネのように大きなものからデラウェアのような小粒のものまでいろいろとあって、それぞれに酸味や甘味と味わいの楽しみがあるので、いずれのものもよく食べられています。

外国産では、ワインやジュースに加工するものが多いので、ぶどうは世界中で多く栽培されている果樹です。

 

ぶどうの栄養

ぶどうといえば、なんといってもブドウ糖です。ブドウ糖は、ぶどうから発見されました。

ブドウ糖は消化工程を経なくても、すでに私たちがエネルギーとして利用することのできる状態ですので、食べてからエネルギーとして利用されるまでの時間が短く効率的です。

身体が弱っているときや、運動中・その前後、疲労を回復したいときなどすぐにエネルギーを補給したい場合に適しています。

甘いだけでなくビタミン類やカリウムも豊富ですので、調理損失の少ない生食はこれらの摂取に適しています。

酒石酸などの有機酸も含まれていて、免疫力を高める効果が期待されます。

さらにぶどうがたびたび健康な食材として注目されるのは、ポリフェノールを含んでいるためです。ぶどうには、タンニン・カテキン・アントシアニンなど数種類のポリフェノールが含まれています。

エネルギー 59キロカロリー
炭水化物 15.7グラム
水溶性食物繊維 0.2グラム
不溶性食物繊維 0.3グラム
カリウム 130ミリグラム
β-カロテン 21マイクログラム
ビタミンB1 0.04ミリグラム
ビタミンB6 0.04ミリグラム
葉酸 4マイクログラム
ビタミンC 2ミリグラム

※すべて ぶどう 生 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

 

ぶどうの健康効果

ポリフェノールの健康効果

よく耳にする「ポリフェノール」という言葉。身体に良いらしいことはご存じでも、結局どのようなものなのか、理解されていない方も多いのではないでしょうか。

ポリフェノールとは、植物色素や苦味成分のなかで同じような化学構造を持つものを総称する呼び方です。

ですからいろいろな種類があって、食材ごとに含まれているポリフェノールもさまざまなのですが、いずれも健康効果を期待されているものであることには違いありません。

ポリフェノールには、体内で過剰に発生した活性酸素を除去する抗酸化作用があります。

これによって私たちの身体がさびることから守ってくれるので、老化や生活習慣病を遠ざけてくれます。またがん物質の活性化を抑制してくれることも期待できます。

抗酸化作用を持つ物質はいろいろとあるのですが、そのなかでもポリフェノールは活性酸素によってダメージを受けやすい細胞膜部分で効果を発揮できるという意味で、特に期待される物質です。

アントシアニン

アントシアニンはぶどうなどに含まれている青紫色の色素です。肝臓の機能を高めたり、視力の向上に寄与したりする効果が期待されています。

目の機能向上は有名な効果ですよね。目の網膜にはロドプシンという色素があって、これが分解と再合成を繰り返して、光の刺激を脳に伝えるため、私たちは「ものを見る」ことができています。

アントシアニンはこのロドプシンの再合成を活性化する働きがあるため、目の機能向上に結びつくと考えられています。

これらの効果のほかにも、血圧を上昇させる酵素の働きを阻害する作用などが明らかになってきており、近年研究が進められています。コラーゲンの合成を促進して安定化させる働きもありますから、みずみずしい肌を保つのにも役立ちます。

タンニン

タンニンもポリフェノールの一種で、渋味を感じさせる成分です。

渋柿のように高濃度であれば不味成分として除去されますが、適度な渋味はおいしさを引き立ててくれます。殺菌作用が知られています。

カテキン

カテキンはぶどうのほかにも、お茶などの渋味成分として有名なポリフェノールの一種で、抗酸化作用を持っていることが知られています。

殺菌や抗菌の作用もあるので、虫歯予防などでも期待される成分です。

さらにカテキンには血液の凝固を抑制してくれる働きや高血圧予防効果が知られています。

カテキンには血液中のコレステロールを低下させる効果もあるとされていますこれはカテキンが胆汁酸の排泄を増やすことで、胆汁の再利用を抑制することが関係していると考えられます。

胆汁はコレステロールを材料にして肝臓で作られます。脂質の消化には欠かせない成分です。しかし利用されたのちに腸から吸収をされ、肝臓に戻り再利用されます。

カテキンによってこの再利用が行われず、排泄が促されると血液中のコレステロールが増えにくくなるのです。血中脂質の減少は肝臓にたまる脂肪も減るので、脂肪肝の改善につながります。

またカテキンはアミラーゼというでんぷんを消化する酵素の働きを抑えます。その結果消化に時間がかかり、血糖値の上昇を抑制する効果があるのではないかと考えられています。

上手なポリフェノールの摂り方

がん物質の活性化抑制・高血圧予防・コレステロール低下と生活習慣病全般への効果が期待できることから、ぶどうのポリフェノールは健康効果で注目されているのですね。

しかしポリフェノールは一度に大量に摂取したからといって、あまり体内に蓄積されず効用は2~3時間程度しか持続しないとされています。

ですから1日の中で複数回に分けてコンスタントにポリフェノールを含む食品を摂取するのが、上手な摂取方法です。

その点ぶどうは数粒を少しつまむような食べ方のしやすい果物ですので、適していると言えます。

赤ワインと白ワイン

ワインからポリフェノールの摂取を期待するのであれば、白ワインよりも赤ワインの方が多く含まれています。

特にアントシアニンは赤ワインの色素に当たるものですので、当然白ワインからは摂取が期待できません。

しかしぶどうに含まれる、カリウムのもつ利尿作用のような余分なものを排泄してくれる働きや有機酸のもつ免疫力向上という効果を期待するのであれば、白ワインも効果があります。

当然ワインはお酒ですので、飲み過ぎてしまうようでは健康効果どころか過剰摂取の害が出てしまいます。

少量を楽しむということであれば一緒に楽しむお料理に合わせてお選びになってはいかがでしょうか。

また生食、ジュースやレーズンなどの加工品を取り混ぜながら、ぶどうの成分を上手に摂取していただければと思います。

 

ぶどうの選び方

軸はきれいな緑色をしていて、粒にしわがないようなものを選びましょう。粒が落ちてしまっているようなものを「脱粒」と言いますが、脱粒は鮮度が落ちてきている目安です。

皮に白っぽく粉が吹いたようなものを見かけたことはないでしょうか。これは「ブルーム」と呼ばれるもので、ぶどう自身が出している保護成分です。

ブルームがついているものは完熟した良いぶどうです。白い粉を農薬などと勘違いして避ける方がいらっしゃいますが、おいしいぶどうを逃してしまう、とても残念なことです。

家庭での保管は冷蔵庫で行いましょう。低温が保持されているとカビの発生が抑えられます。

色が褐変しやすいので、買ってきたままのフィルムをつけておいた方が鮮度保持に役立ちます。

 

ぶどうの食べ方

洗えばそのまま食べられますので、難しい調理を必要としません。皮ごと冷凍すればシャーベットのように楽しむこともできます。

皮ごと食べない品種でも、皮の色素成分を摂取したいですし、皮の周りは甘みが強いのでジュースなどにしてまるごと味わうのも良いでしょう。

 

ぶどう まとめ

管理栄養士chika-sita
最近は生食用のぶどうでも皮ごと食べられる種なしのものも多く見かけるようになりました。

皮にはポリフェノールが多く含まれますので、できれば実だけでなく皮も召し上がっていただきたいと思います。

皮ごと食べられる品種は、味もしっかりと感じられるので美味しいということではもちろん、栄養面でも理想的な食べ方です。

輸入品も多く出回るようになり、値段がはるものばかりでもありませんし、長いシーズン入手できるようになってきました。

これまであまり手に取る機会がなかった方も、ぜひ召し上がってみてください。

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