グレープフルーツの名は、実がブドウの房ように連なって生るからだと言われています。
ダイエット向きの食材としてたびたび注目を集めることも多い一方で、薬との相性が難しいことでも有名です。

グレープフルーツの種類
グレープフルーツは文旦類とオレンジ類が自然交配したものとされていて、亜熱帯気候を好むため、ほとんどが輸入品です。
一般的なグレープフルーツとして挙げられるのは、果皮が黄色く、果肉は白みのかかった淡黄色である種類ではないでしょうか。さわやかな酸味を持っています。
次いでよく目にする、果肉がピンク色のものは「ルビーグレープフルーツ」などが主流で、甘みが強く、酸味は控えめなことから食べやすいと人気です。
グレープフルーツ類としてはこのほかにも、スウィーティーやメロゴールドもあります。
日本で多く生産されている晩白柚(ばんぺいゆ)は文旦類であることからグレープフルーツの特徴と重なるところも多く、和製グレープフルーツなどと呼ばれることもあります。
グレープフルーツの栄養
柑橘類であることからビタミンCをはじめ、ビタミン類は豊富。またカリウムや食物繊維といった果物からの摂取が期待できるものも含んでいます。
果肉の色の違いは栄養価ではβ-カロテンの含有量として差が出ます。
やや苦味があることも特徴の一つですが、これはナリンギンやリモネンといったフラボノイドによるもの。
ちなみに薬との相性が難しいのは、グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という成分が高血圧や脂質異常症の治療薬の代謝を遅くしてしまうため。
すでに服薬している方は、お医者さんや薬剤師さんに相談しましょう。
白肉種 砂じょう 生 | 紅肉種 砂じょう 生 | |
エネルギー | 38キロカロリー | 38キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.2グラム | 0.2グラム |
不溶性食物繊維 | 0.4グラム | 0.4グラム |
カリウム | 140ミリグラム | 140ミリグラム |
β-カロテン | 0マイクログラム | 400マイクログラム |
α-トコフェロール(ビタミンE) | 0.3ミリグラム | 0.3ミリグラム |
ビタミンB1 | 0.07ミリグラム | 0.07ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.03ミリグラム | 0.03ミリグラム |
葉酸 | 15マイクログラム | 15マイクログラム |
ビタミンC | 36ミリグラム | 36ミリグラム |
※すべて 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
グレープフルーツの健康効果
グレープフルーツがダイエットに向いていると言われる点はいくつかあります。
まずはなんといっても低エネルギーでボリュームがあり、満腹感をもたらしてくれること。食物繊維も含んでいますので、きちんと余分なものを排泄できる点もダイエットには大切な要素。
水溶性食物繊維が豊富であるため、血液中のコレステロールを下げる効果も期待できます。
なおかつダイエットでは栄養素が偏ってお肌などの調子を崩しがち。
そんなときにビタミンCやその他のビタミンも含んでいるグレープフルーツはぜひ摂っておきたいと言われるのが、大きな理由ではないでしょうか。
ストレスで消耗しやすい、ビタミンC。お肌への外部からの刺激もストレスの一つですから、しっかりビタミンCを摂って、紫外線などの害から身体を守りましょう。
グレープフルーツのさわやかな香りは気分をリフレッシュさせてくれますね。精神面のストレスにはビタミンCだけでなく香りも一役買ってくれそうです。
最近で注目を集めるのは、GI値が低いところ。GI(グリセミック・インデックス)は、血糖値の上がり具合の指標として目にする機会も増えてきました。
早食いだったり、甘い物が好きで糖質の摂取源が少糖類主体であったりすると、血糖値の上昇が急激になります。
あまりに急に血糖値が上がれば、身体はインスリンを分泌して血糖値を下げようとします。
こういった機会が多かったり、常に血糖値が上がるような食生活をしていたりすれば、インスリンの効きが悪くなったり、分泌がうまくいかなくなったりして糖尿病のリスクが高まります。
またインスリンが分泌されて一気に血糖値が下がれば、また何か食べたいという欲求が出てしまって過食傾向にもなります。
そこで「血糖値の上がり方」という、食材評価の新たな視点が普及したのです。
果物はビタミンや食物繊維が多いことから美容面では好意的に受けれられがちですが、ダイエットではやはり甘い点が敬遠されることも。
その点GIの低いグレープフルーツが取り上げられるというわけです。
生活習慣病予防という点では、フラボノイドを含んでいる点も注目です。
フラボノイドの強い抗酸化力は、活性酸素の働きを抑制し、発がん物質の活性化や動脈硬化を予防する効果があります。
毛細血管を保護し、丈夫にする点も、血管に負担がかかりがちな種々の生活習慣病の状況には頼もしい効果です。
グレープフルーツの選び方
きれいな丸形で、皮にハリのあってなめらかなものが良いでしょう。持ってみてずっしりと重ければ中身がぎっしり詰まっているということです。
丸ごとであれば保存は意外とききます。ビニール袋に入れて冷暗所で保存します。
低温すぎるのも良くないので、冷蔵庫に入れる場合には野菜室にしましょう。
グレープフルーツの食べ方
輸入品が主体なので、気になる場合には皮の表面をよく水で洗って、ポストハーベスト農薬を落としましょう。
朝食に生のまま召し上がるのも良いですが、果肉がやわらかくなければサラダにしてもさわやかな味わいが楽しめます。
やわらかくなってきたものはドレッシングとして利用するのもよいでしょう。
つぶつぶ感を残して、酸味と甘みの味わえるドレッシングにすれば、野菜以外でもお肉との相性も良くなります。
グレープフルーツ まとめ

抗酸化作用をしっかり利用するためには、食べる都度皮をむくのが良いでしょう。
白色種とルビーグレープフルーツを混ぜて使っても、食卓が華やぎます。