楊貴妃が好んだということで知られている、ライチ。そのためか「美容に良さそうという」イメージが強いようです。

ライチとは
ライチは初夏に旬を迎える果実で、さわやかな香りと甘さが魅力。
リキュールなどでは好まれるフレーバーですが、生果で味わう機会はそれほど多くないかもしれません。
果肉は乳白色でみずみずしく、プリッとした実は食べごたえがあります。
皮は手で簡単にむくことができますし、種は大きいものの種離れが良いので非常に食べやすい果物です。
日本では鹿児島県や沖縄県での生産があるものの、多くは台湾や中国からの輸入品です。
ライチの栄養
食べごたえがある割に低エネルギーで、ビタミン類やミネラル類の摂取に適しています。
ビタミン類ではビタミンB群を幅広く含み、中でも葉酸が豊富。ビタミンCの摂取もできます。
ミネラル類ではカリウムや銅などが豊富。
そのほかにはポリフェノールも含まれています。
エネルギー | 63キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.4グラム |
不溶性食物繊維 | 0.5グラム |
カリウム | 170ミリグラム |
鉄 | 0.2ミリグラム |
銅 | 0.14ミリグラム |
ビタミンB1 | 0.02ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.06ミリグラム |
ナイアシン | 1.0ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.09ミリグラム |
葉酸 | 100マイクログラム |
ビタミンC | 36ミリグラム |
※すべて ライチー 生 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ライチの健康効果
美容イメージが強い、ライチ。美肌には欠かせないビタミンCが豊富です。
さらにライチに含有されているポリフェノールに、ロイコシアニジンというものがあり、これがメラニンの生成を抑制する働きがあると考えられているため、やはり美容を気にする女性から支持されています。
女性にとって大切な働きと言えば、葉酸の持つ造血作用。特に妊娠初期の女性はしっかり摂るように国も推奨している栄養素です。
これは妊娠初期の葉酸不足が、神経管閉鎖症障害を持つ胎児の発生リスクを高めてしまうため。ヒトの身体ができあがる初めの段階から必要とされる栄養素です。
日々私たちの生活に欠かせないというのは、言うまでもありませんね。
葉酸の造血作用に加えて、鉄の吸収を助ける銅も含んでいます。貧血気味の方には重ねてうれしい作用と言えるでしょう。
貧血気味の血行の悪い肌は血色が悪く美肌とはいえません。そういった意味でもやはり美容面に非常に貢献してくれる果物なのです。
さて、生活習慣病と美肌。一見無関係のように見えて、そんなことはありません。
なぜなら美肌とはつまり、内臓が健康である象徴なのです。私たちの身体は必要な栄養素を、生命維持の優先順位の高いものから使っていきます。
肌もきれいである方が良いに決まっているものの、ちょっとくらい肌が荒れていたからといって命に別状はありません。
ですから優先順位はずっと後ろ。つまり美肌が保てているということは、内臓の健康が成り立っているということであり、肌にまで栄養が回っているという証なのです。
ビタミンCは美肌には欠かせないと言いましたが、なぜ美肌になるのかといえば、コラーゲンの生成を助けてくれるから。
コラーゲンがきちんと生成されれば美肌だけでなく、しっかりとした内臓を保つこともできています。つまり免疫力が高い状態です。
ビタミンCといえば抗酸化作用があることでも知られています。抗酸化作用はライチに含まれるポリフェノールにも期待できる働きです。
抗酸化作用は体内の過酸化脂質生成を抑制してくれたり、がんの発生を抑えてくれたり、老化を遅らせてくれたり、生活習慣病対策にも欠かすことのできない働きなのです。
ライチの選び方
以前は缶詰が主流だったライチも、シーズンには生果で出回るようになってきました。
表面が黒ずんでおらず、皮に弾力のあるようなものを選びましょう。皮の色は鮮やかな紅色のものが良品でしょう。
皮をむいてしまうと日持ちがしないので、皮をむくのは食べる直前に。
長期保存は難しいので、すぐに食べないような場合は凍らせてしまえば、シャーベットのように楽しむことができます。
ライチの食べ方
ライチの種は漢方薬で「レイシカク」として使われています。
東洋の考え方では、血を補って、肌や髪に潤いを与えてくれる、さらには消化吸収を助けてくれて慢性の下痢や食欲不振時の体調を整える働きなどが期待されてきました。
ライチは皮をむいて簡単に食べられるものですので、とくに料理にアレンジしなくても良いかもしれません。
でも、芳醇な香りや甘みは満足感を与えてくれますので、フルーツポンチのようにして楽しむとさまざまな果物からビタミン類、ミネラル類、食物繊維が摂取できて、体調を整えるのに適したメニューとなります。
ライチ まとめ

自分で買い求めるにはちょっとまだ動機が足りないなんて方は、サラダバーなどでチャレンジされてはいかがでしょうか。
なんといっても「健康に良い」と言われるよりも、「おいしい」ということの方が食べる動機にはなりますよね。
急に気になる存在になってしまうかもしれませんよ。