生のオリーブを購入してきて加工するということはあまりありませんが、塩漬けのオリーブはよく口にするのではないでしょうか。
そしてオリーブと言えば、なんといってもオリーブオイル。

オリーブの種類
地中海料理には欠かせない食材です。日本では小豆島で生産されています。
分類としては果実類に属しますが、いわゆる果物のように食べられることはあまりありませんね。
オリーブの実は木から収穫した状態では食べられませんので、塩水に漬けます。
実には、黒・緑・黄色などがあります。塩漬けにしたオリーブの実は、黒や緑のものが日本ではよく出回っています。
オリーブオイルの高級品は「エキストラバージン・オリーブオイル」。
常温でオリーブの実を搾って、最初にとれたオイルで、酸度が低いものが該当します。生食したり、料理の仕上げにたらしたりする利用に向いている油です。
バージンオイルと精製したオリーブオイルとを混ぜて作るピュアオリーブオイルは焼き物や炒め物に幅広く利用できる手の出しやすい価格帯の油です。
オリーブの栄養
オリーブには脂質が豊富。脂肪酸では一価不飽和脂肪酸を多く含みます。不飽和脂肪酸の中では多価不飽和脂肪酸よりも酸化されにくい特徴があることから、加熱調理にも使用できる使い勝手の良い油です。
塩漬けにしたものは当然ながら塩分に注意が必要。しかしオリーブの塩漬けを使うことで料理を薄味に仕上げることもできますので、使い方次第と言えるでしょう。
脂質が豊富であるため、脂溶性ビタミン類も含まれます。
複数のポリフェノールを含んでいるとされており、その働きでも健康効果に注目が集まります。
エネルギー | 118キロカロリー |
脂質 | 12.3グラム |
飽和脂肪酸 | 2.07グラム |
一価不飽和脂肪酸 | 8.72グラム |
多価不飽和脂肪酸 | 0.67グラム |
α-トコフェロール(ビタミンE) | 4.6ミリグラム |
※すべて ブラックオリーブ 塩漬け 100グラムあたりの値。
オリーブオイルの脂肪酸(100グラムあたり)
飽和脂肪酸(13.29グラム) | パルミチン酸、ステアリン酸など |
一価不飽和脂肪酸(74.04グラム) | オレイン酸など |
多価不飽和脂肪酸(7.24グラム) | リノール酸、α-リノレン酸など |
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
オリーブの健康効果
オリーブに多く含まれているオレイン酸は一価不飽和脂肪酸に属し、植物性脂質に多い、ほかの脂肪酸に比べて酸化しにくいという特徴があります。
これは過酸化脂質を作りにくいということですので、過酸化脂質による発がんなどの影響が気になる方にとっては利点と言えるでしょう。
体内では血中コレステロールを減らし、動脈硬化や心臓疾患を招く恐れの少ない油とされています。
悪玉とされるLDL-コレステロールを減らして、善玉であるHDL-コレステロールは減らしにくいのも、良い点です。
地中海食が健康食と言われる一因に、このオリーブオイルの存在があります。
地中海食ではオリーブオイルの摂取量が多く、野菜や豆類、果物などを多く摂取しています。
またヨーグルトなどの乳製品は摂りますが、肉やバターといった動物性脂質の摂取は少ないことが知られています。
地中海食ではオリーブオイルの存在が欠かせないのです。
地中海食を食べている地域では心臓疾患による死亡率が少ないことから、オリーブオイル以外にも頻度高く食べられている食品とあわせて、とても研究されている分野です。
オリーブには種々のポリフェノールも含まれており、それらの抗酸化作用や抗炎症作用も良い影響を及ぼしているのではないかと推察されています。
また、オリーブオイルに含まれているβ-フィトステロールは、腸からのコレステロールの吸収を妨げる効果があるとされています。
オレイン酸の持つ血中コレステロール値を減少させる働きに加えて、血中脂質バランスの均整化にオリーブオイルが適していることがわかりますね。
ちなみにオレイン酸も小腸では吸収されにくく、腸に刺激を与え便秘を解消するのに役立つとされています。便秘の人がオリーブオイルを飲むという民間療法はここからきているのですね。
オリーブオイルも油には変わりありませんので、エネルギーはしっかりあります。
いつものお食事にオリーブオイルを足すのではなく、日頃使っている油脂の見直し、置き換えをしてみましょう。
オリーブの選び方
オリーブオイルは種類も多く、価格の幅も広くあります。味・香り・色もさまざまですので、好みのものを探してみましょう。
エキストラバージン・オリーブオイルは希少なので価格も高め。やはりこういったものは利点を活かして生食利用などにするとして、加熱調理など普段使いのオリーブオイルも別に選んでおくと良いでしょう。
酸化しにくいとはいえ、しっかり蓋を閉め、冷暗所で保管します。開封後はあまり長い時間置かない方が風味・健康面ともに良いでしょう。
オリーブの食べ方
塩漬けオリーブはサラダやサンドイッチのトッピングに、調味料がわりに使うことができます。塩味をプラスしてくれるだけではなく、フルーティーな香りも加わりますので、上手な減塩に活用しましょう。
オリーブオイルはすっかり定番になりましたが、バターの代わりにパンにつけて食べれば飽和脂肪酸の摂取を減らすことにつながります。
ただし油は油ですので、摂り過ぎに注意が必要であることもお忘れなく。
オリーブ まとめ

オリーブオイルやナッツ類から手軽に摂ることができますので、心臓疾患予防に、時には一価不飽和脂肪酸にも目を向けてみましょう。