まいたけはきのこの中でもうま味が強く、長時間経っても苦味の出にくい、利用しやすい食材です。
シャキシャキとした食感が残るところもおいしさの要因で、しいたけなどの他のきのこともまた少し違った楽しみ方ができます。

まいたけの種類
まいたけには、天然ものと菌床栽培のものとがあります。
天然ものは東北で獲れるとされていますが、市場に出回っているものはほとんどが栽培されたものです。
そのため周年安定して入手可能ではありますが、乾燥品も市販されています。香りが良いのは生よりも乾燥品だとも言われています。
また、「白まいたけ」という真っ白な姿をしたものをあります。
まいたけは熱を通していくと煮汁が黒くなってしまう点が難点ですが、白まいたけはそういったことがないので、料理の仕上げがきれいになります。
栄養価では通常のまいたけと差はないとされています。
まいたけの栄養
きのこ類に属しますので、エネルギーを産み出す栄養素はほぼありません。しかしエネルギーを産生する栄養素を体内で代謝するために必要となる、ビタミンB群の含有量が高いので、食材の食べ合わせで身体にエネルギーを供給してくれます。
食物繊維の一種であるグルカンを多く含むという特徴もあります。きのこ類全般から摂取が期待できるものですが、まいたけはなかでも優れた供給源です。
紫外線にあたるとビタミンDに変化するエルゴステロールも含んでいます。
エネルギー | 15キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.3グラム |
不溶性食物繊維 | 3.2グラム |
カリウム | 230ミリグラム |
鉄 | 0.2ミリグラム |
ビタミンD | 4.9マイクログラム |
ビタミンB1 | 0.09ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.19ミリグラム |
ナイアシン | 5.0ミリグラム |
ビオチン | 24.0マイクログラム |
※すべて まいたけ 生 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
まいたけの健康効果】
体内でエネルギー産生や代謝に働くビタミンB群は全部で8種類ありますが、水溶性であるため体内へとどまりにくいという特徴がありますから、サプリメントのような形で一度にたくさん摂るのではなく、毎食のお食事からコンスタントに摂取したい栄養素群です。
また、単独で働くというよりもまんべんなく摂って上手に代謝に活かしていきたい栄養素です。まいたけにはビタミンB群がまんべんなく豊富です。
特に多いものでは、ビタミンB1は炭水化物の代謝に欠かせないほか、神経機能を正常に維持する作用にも利用されます。
ビタミンB2は不足すると口内炎ができるのは有名ですね。皮膚や粘膜の健康に役立ちます。
ナイアシンもたんぱく質・炭水化物・脂質のいずれの代謝にも必要で、アルコールの分解作用もあるので二日酔いでは多く使われるビタミンです。
食物繊維の一種であるグルカンは、身体の免疫力を高めて細菌やウイルスに対する抵抗力をつけてくれます。風邪のみならず生活習慣病予防としてもうれしい働きです。
がんに対しても抗がんや抑制に効果があるのではないかと言われています。
食物繊維が豊富ですから腸の蠕動運動を促し排便が促進されるほか、脂質異常症予防の観点からも期待の高まる食材です。
まいたけは数あるきのこ類のなかでも、β-グルカンを多く含んでいるという特徴があります。
ビタミンDはカルシウムの吸収を高める効果のあるビタミンですので、骨の強化には合わせて摂りたい栄養素です。エルゴステロールがビタミンDとして働くことで、骨や歯を健康に保つ効果も期待できます。
まいたけの選び方
菌床栽培のものが多いので、品質に大きなぶれはないと思われますが、原木栽培もありますので、選び方も知っておきましょう。
かさの部分が肉厚でしっかりしているもの、軸にもハリのあるものが良いでしょう。シャキシャキとした食感が魅力ですので、よくしまったものを選びましょう。
きのこ類の中では日持ちがする方だとされていますが、乾燥に気をつけて冷蔵庫保管とし、あまり日を置かずに食べるようにしましょう。
まいたけの食べ方
まいたけの名前の由来は、山で見つけるとうれしくて踊ってしまったということからつけられたと言われています。
きのこ類の中でもうま味成分を多く含んでおり、「うれしくなるほど、おいしい」ということですね。
調理の際にもエキスにうま味が出ますが、あまり火を通し過ぎてしまうと食感が損なわれがちです。
豊富に含まれているビタミンB群やグルカンは水溶性ですので、調理液まで飲むことのできるような汁物や煮物にすると良いでしょう。
また天ぷらなどで食べれば食感を損なうことなく、脂溶性ビタミンのビタミンDの吸収にも効率的な食べ方となります。
まいたけ まとめ

くわえて、うま味が出やすい点が調理の幅も広げてくれます。比較的価格変動が少なく、通年手に入る菌床栽培である点もうれしいですね。
なかなか料理の主役とはなりにくい存在ではありますが、わき役であっても味でも栄養面でもしっかりと良い仕事をしてくれますよ。