ニラは餃子などには欠かせない食材なので、スタミナをつけてくれそうなイメージもありますよね。
強そうなイメージの反面、実は鮮度管理が難しいという意外な側面を持ち合わせていますが、使い勝手の良い野菜ではあると思います。

ニラの種類
ニラは原産地が中国やインドあたりと言われているので、中華料理ではよく使われます。日本での食用の歴史も長い野菜です。
一番ポピュラーな緑色のニラは、大葉のものや小葉のものとありますが、あまり区別されて扱われることはないと思います。「グリーンベルト」という大葉種のものが一般的でしょう。
これ以外には緑のニラを育てる際に、株に光を当てず、新芽を黄色くした「黄ニラ」もよく使われます。ニラ特有の香りはやや控えめですが、緑のものと比べると葉が柔らかいという特徴があります。
その他では、あまりお目にかかる機会はありませんが、若い茎花やつぼみを食べる「花ニラ」というものもあります。葉を食べるにらよりもやや甘く、食べやすい種類です。
ニラの栄養
β-カロテンをはじめ、ビタミンEやビタミンKといった脂溶性ビタミンも、水溶性ビタミンであるビタミンB群やビタミンCも含んでいます。
ビタミン類はそれぞれの身体を調整してくれる働きが大切であることはもちろん、微量でありながら体内では助け合って働くため、複合的な摂取は効率が良いと言えるでしょう。
カリウム、カルシウム、鉄とミネラル類も含んでいます。
ビタミン類、ミネラル類の身体を調整してくれる働きに加え、匂い成分の硫化アリルの働きも見逃せません。
ビタミンB1の吸収を高めてくれ、健康効果も期待できます。体内のエネルギー代謝に必要な成分を幅広く摂取できるところが、スタミナ野菜として親しまれている理由の一つです。
にら 葉 生 (緑色のもの) |
黄にら 葉 生 | |
エネルギー | 21キロカロリー | 18キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.5グラム | 0.4グラム |
不溶性食物繊維 | 2.2グラム | 1.6グラム |
カリウム | 510ミリグラム | 180ミリグラム |
カルシウム | 48ミリグラム | 15ミリグラム |
鉄 | 0.7ミリグラム | 0.7ミリグラム |
β-カロテン | 3500マイクログラム | 59マイクログラム |
α-トコフェロール (ビタミンE) | 2.5ミリグラム | 0.3ミリグラム |
ビタミンK | 180マイクログラム | 29マイクログラム |
ビタミンB1 | 0.06ミリグラム | 0.05ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.13ミリグラム | 0.08ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.16ミリグラム | 0.12ミリグラム |
葉酸 | 100マイクログラム | 76マイクログラム |
ビタミンC | 19ミリグラム | 15ミリグラム |
※すべて100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ニラの健康効果
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6のいずれも豊富に含んでいることで、エネルギー源となる栄養素の代謝に働きかけてくれます。
エネルギーをしっかり摂っているはずでもスタミナ切れを起こしてしまう人のなかには、これらのような、エネルギー代謝に必要なビタミンをしっかり摂れていない場合もあるので、ニラは非常に優秀な野菜です。
また相乗効果もあって、がんの抑制や老化防止、疲労回復、風邪の予防と身体のメンテナンスをしてくれることによる健康効果が期待できます。
ニラは香りもしっかりあって、食欲がそそられますよね。
スタミナ食のイメージも強いと思いますが、栄養成分を紐解いてみると、それらが単なるイメージではなく、きちんと裏付けのあるものであるとわかります。
さらに硫化アリルの一種であるアリシンを含んでいます。アリシンは強い抗菌作用を持っていて、風邪予防に効果を発揮します。
またビタミンB1と結びつくことで排泄されやすいビタミンB1を体内にとどまりやすくしてくれます。
ビタミンB1によって炭水化物がエネルギーに変換されると疲労も回復しやすくなります。さらには、血栓の予防や改善にも効果を発揮してくれるものと期待が寄せられています。
アリシンがHDLーコレステロールを増やし、LDL-コレステロールを減らすことで血中脂質のバランスを整えてくれます。
さらにニラに含まれている色素成分クロロフィルにもコレステロール値低下作用があるため、効果をより期待することができます。
栄養素の含有量で比較をすると、黄ニラよりも緑色のニラの方が全般的に優れていると言えるでしょう。
脂溶性成分も水溶性成分も含んでいることから、さまざまな調理法でにらを取り入れることが、これらの成分を上手に摂取するコツであると言えます。
抗酸化作用を有する脂溶性成分のβ-カロテン、ビタミンEや水溶性成分のビタミンCのいずれも含んでいるので、相乗効果が期待できます。
ニラの選び方
ニラは鮮度劣化が早く、軸にぬめりが出やすいので注意しましょう。葉がまっすぐでピンと張っており、つやがあるようなものを選ぶようにしましょう。
保存の際は乾燥に注意して、水で湿らせた紙でくるみ、野菜室で保存すると良いでしょう。
ニラの食べ方
硫化アリルのアリシンの効果を上手に取り入れるのであれば、ビタミンB1が豊富な食材との食べ合わせが有効。
古くから親しまれている「レバにら炒め」はその典型。ビタミンB1が豊富なレバーとアリシンを含むにらの組み合わせによって、スタミナアップに効力を発揮する、理にかなった組み合わせです。
水溶性ビタミンも逃さず食べたい時にはスープなどに使用して、溶け出した汁ごと摂取すると良いでしょう。
その際に香りづけにゴマ油をひとたらしすると、脂溶性ビタミンの吸収も良くなります。
ニラ まとめ

余ってしまってにら料理ばかりになる、なんて心配もありませんし、香りのおかげで動物性食品との相性も良いので、豚肉だけでなく卵などと合わせてもいいでしょう。
日頃不足しがちなビタミン類、ミネラル類を手軽に補給できる野菜として、積極的に使用してみてください。