セロリは加藤清正が朝鮮出兵のときに持ち帰ってきたのが、日本で食べられた最初だとも言われていますね。
香りが良く、さわやかに味わうことのできるセロリ。シャキシャキとした歯ごたえも特徴です。

セロリの種類
茎を中心に葉も楽しむことのできる「コーネルセロリ」が一般的。種子はスパイスとしても使われます。
みつばのような見た目で香りはしっかりセロリ特有のさわやかさを放っているのが、「ホワイトセロリ」。茎が細くてクセがなく、食べやすいセロリです。
茎全体が緑色の「グリーンセロリ」は日本での消費はあまりありませんが、茎を中心に楽しめる筋の少ない種類です。
ちなみに根菜類の「セロリアック」は、根セロリとも呼ばれていて、こちらもセロリの仲間です。球状になった根を食べますが、香りはセロリと同じ。スープや煮込み料理に使われます。
セロリの栄養
淡色野菜ですので、β-カロテンの含有量は少ないものの、淡色野菜から摂取したいビタミンCやカリウム、食物繊維がしっかり含まれています。
葉まで利用すると栄養面ではさらに整うでしょう。
香りの成分は複数含まれているとされています。ピラジンやアビオイルといった成分で、香辛野菜らしく、それらの効能も期待できます。
エネルギー | 15キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.3グラム |
不溶性食物繊維 | 1.2グラム |
カリウム | 410ミリグラム |
ビタミンB1 | 0.03ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.03ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.08ミリグラム |
葉酸 | 29マイクログラム |
ビタミンC | 7ミリグラム |
※すべて セロリ 葉茎 生 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
セロリの健康効果
香味野菜としても多用されるセロリはその香りで、精神を落ち着かせる働きを期待できます。
香り成分のアピインなどには、いらだちを抑えて精神を安定させてくれる効果があるのです。
さわやかな香りが胃液の分泌を促進してくれるので、食欲を高めてくれます。口のなかもさっぱりしますから、その面でも食欲が促進されますよね。
そのほかにも頭痛や更年期の不定愁訴などに効果を発揮します。
同じく香り成分のピラジン。血流を改善して血栓を作りにくくしてくれることで脳血管疾患や心疾患の予防効果が期待できるとされている成分です。
香りによってストレスがやわらぐことに加え、ストレスで消耗が激しくなるビタミンCも含んでいる点がさらに効果的。
セロリというと調理をしている段階からかたい筋を取り除くので、不溶性食物繊維のイメージが強いかもしれません。
しかし食物繊維では、不溶性に限らず、水溶性食物繊維も含んでいるのです。
またカリウムが豊富ですから過剰なナトリウムの排泄で高血圧予防となり、水溶性食物繊維によって血糖値の上昇をゆるやかにしてくれるため、血管への負担をやわらげてくれる効果が期待できます。
食物繊維によって腸内細菌では善玉菌を増やし、腸内環境を整えることに貢献します。
腸内環境を整えることによって得られる健康効果は今や単に便秘解消や大腸がんの予防にとどまりません。
たとえば免疫力の向上やメンタルバランスの維持といったことについても、効果がわかってきています。
加えて、血糖値の上昇を抑えたり、余分なコレステロールを体外に排泄したりといった生活習慣病予防にも多面的に効果が期待できます。
さまざまな生活習慣病対策には、どちらもコンスタントに摂取したい栄養素です。
セロリの選び方
茎が太くて長く、丸みがあるものが良品です。葉まで利用したいので、みずみずしいものを選びましょう。
切り口部分が白くきれいであるかも、鮮度チェックに役立つ部分です。
保存を数日する場合には、葉に水分をうばわれないように、茎と葉は分けて保存すると良いでしょう。それぞれラップで包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。
大量に買い求めることは少なく、枝に分かれているものを求めがちですが、株単位で保存した方が日持ちはします。
セロリの食べ方
新鮮なものほど茎の外側の筋がかたいので、ピーラーなどで取り除くようにしましょう。
香りを楽しむ野菜ですので生食も良いですが、肉類などとあわせるとにおい消しにもなり、味が引き立ちます。
栄養面ではβ-カロテンが少ないので、緑黄色野菜と組み合わせた料理にするとバランスが整います。
カリウムやビタミンCといった水溶性の栄養素を効率よく摂取するには、ピクルスなども向いていますが、加熱すると生とは違った甘みも感じられますので、汁ごと飲めるようにスープなどに使用するのも良いでしょう。
セロリ まとめ

また好きな方にとっては香りの良さはたまりませんよね。
かたい食感ながらボリュームもそれなりに食べられるところも、良いところ。野菜から摂取したい栄養素をきちんと含んでいますので、どんどん食べていきましょう。