きゅうりは緑黄色野菜だと思いますか、淡色野菜だと思いますか?
緑黄色野菜は「色の濃い野菜」と説明されることが多いので、きゅうりを緑黄色野菜だと思っておられる方も少なくありませんが、きゅうりは淡色野菜です。
たしかに皮の色は濃いのですが、断面の色は薄いのでβ-カロテンの含有量は緑黄色野菜ほど高くはないのですね。

きゅうりの種類
きゅうりというと緑色でボツボツしたイボがあるというイメージですが、最近のきゅうりはイボがないものも。
「フリーダム」というイボなしきゅうりもよく出回るようになりました。イボがないと洗浄の際に洗いムラが起こりにくく衛生的だという理由で浸透しました。
色は薄緑色の「白きゅうり」、頭は緑で先に向かって白くなる「半白きゅうり」なんていうものもあります。青臭さが少なく、皮はやわらかめです。
昔のきゅうりは、表面に白い粉のようなものがついていました。
これはブルームといってきゅうり自身が出していた物質でもちろん害はないのですが、農薬が結晶化したものであるといった誤解を受けて敬遠されるようになり、最近ではブルームレスきゅうりが主流となっています。
きゅうりの栄養
夏野菜のきゅうりは水分たっぷりで、ほてりを冷ましてくれます。水分の多さに加えてカリウムも含有していることから利尿作用があります。
ビタミンCのように淡色野菜から摂取できる栄養素も含んでいます。
最近は苦味のあるきゅうりも少なくなってきてしまいましたが、皮に含まれる苦味成分はククルビタシンと言います。また青臭い香りはピラジンによるもの。
シトルリンという機能性成分も含まれています。
エネルギー | 14キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.2グラム |
不溶性食物繊維 | 0.9グラム |
カリウム | 200ミリグラム |
β-カロテン | 330マイクログラム |
ビタミンE(α-トコフェロール) | 0.3ミリグラム |
ビタミンK | 34マイクログラム |
ビタミンB1 | 0.03ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.03ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.05ミリグラム |
葉酸 | 25マイクログラム |
ビタミンC | 14ミリグラム |
※すべて きゅうり 果実 生 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
きゅうりの健康効果
きゅうりの苦味成分であるククルビタシンは、腫瘍を破壊する因子を含んでいるのではないかと最近注目の成分。
また毛細血管を丈夫にすることで血管循環をよくする働きも知られていて、動脈硬化予防に役立つと期待されています。
青臭さの香気成分であるピラジンには血栓を防ぐ働きがありますから、この働きからも動脈硬化予防が期待でき、脳梗塞や心筋梗塞の予防改善につながります。
いずれもきゅうりの特徴的な部分でありましたが、最近では栽培手法の変化からやや薄れてきています。
いずれも動脈硬化予防が期待できる成分ですから、健康効果を考えると、失われたくない特徴ではないでしょうか。
シトルリンはアミノ酸の一種で、血管拡張作用があり血流を良くしてくれます。
この働きによりむくみの解消に効果があります。
また末端の毛細血管にまで血液を送ってくれることで冷え性の改善も期待できます。
きゅうりには水分やカリウムが豊富で利尿作用があります。
むくみの解消ということで言えば、シトルリンとカリウムの相乗効果が期待できますね。
カリウムには体内の余分なナトリウムを排泄する働きがあるため、高血圧の予防になり、体内の循環を良くしてくれる効果がうれしいですね。
きゅうりには水分が豊富ですが、あわせてミネラル類やビタミン類を含んでいます。
暑い季節には汗をかきますが、汗をかくとミネラル類も流れてしまうので、きゅうりは暑い季節の水分補給には適した食べ物です。
いまや年間を通じてたくさん食べられていますが、特に夏場は意識して摂りたいですね。
きゅうりの選び方
太さが均一で、両端まで実がしっかりしているものを選びましょう。緑色の鮮やかなものが良品です。
イボがある品種の場合には、イボのしっかりとしたものが良いでしょう。
保存の際は水分が損なわれることのないよう、ラップにくるんで冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
きゅうりの食べ方
生食できますから、サラダや漬物とよく食べられていますが、加熱をしてもおいしい野菜です。炒め物や汁物にもぜひご利用ください。
せっかくカリウムの多い野菜なので、塩分の多い食べ方はオススメではないものの、発酵食品である漬物には生野菜にはない健康効果も期待できますので、時にはよいでしょう。
ぬか漬けであればぬかに含まれているビタミンB群が摂取できたり、乳酸菌の効果も享受できたりします。
きゅうり まとめ

衛生面を重視してイボなしになり、あらぬ誤解からブルームレスになり、せっかくの健康効果を有する苦味成分も損なわれていくのでは、きゅうりの個性がどんどん失われていってしまいますね。