グリンピースとは、熟す前のえんどうまめをむき実にしたものですので、豆類の栄養価の高さと野菜類としての性質を合わせ持った食材です。

グリンピースの種類
料理のトッピングとして使われることも多いため、水煮缶や冷凍品もあり年間を通じて入手することが可能です。
生のものが手に入るのは4~6月頃。関東ではグリンピースが出回ることが多いようですが、関西方面では「うすいえんどう」の豆が出回ることが多いようです。
グリンピースに比べると少し緑色が薄く、粒が大きめの種類です。
グリンピースの栄養
野菜にしては珍しく、たんぱく質を含んでいます。
特筆すべきは食物繊維含有量の高さで、とくに不溶性食物繊維を豊富に含みます。
豆類に多いビタミンB1の摂取も期待でき、まさに豆類と野菜類の栄養価を両方合わせ持った食材だと言えます。
グリンピース 生 | グリンピース 水煮缶詰 |
|
エネルギー | 93キロカロリー | 98キロカロリー |
たんぱく質 | 6.9グラム | 3.6グラム |
炭水化物 | 15.3グラム | 19.7グラム |
水溶性食物繊維 | 0.6グラム | 0.8グラム |
不溶性食物繊維 | 7.1グラム | 6.1グラム |
カリウム | 340ミリグラム | 37ミリグラム |
鉄 | 1.7ミリグラム | 1.8ミリグラム |
β-カロテン | 410マイクログラム | 200マイクログラム |
ビタミンB1 | 0.39ミリグラム | 0.04ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.16ミリグラム | 0.04ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.15ミリグラム | 0.02ミリグラム |
葉酸 | 76マイクログラム | 10マイクログラム |
ビタミンC | 19ミリグラム | 0ミリグラム |
※すべて 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
グリンピースの健康効果
私たちが食品から摂取したたんぱく質を上手に利用するには、「必須アミノ酸」と呼ばれる、私たちの身体では作り出すことのできないアミノ酸をバランスよく含んでいるかが重要になります。
必須アミノ酸が私たちの身体の組成と近い形で含まれているたんぱく質を含む食品は「良質なたんぱく質を含んでいる」などと言われます。
日頃私たちがよく口にするお米には、必須アミノ酸のうち「リシン」が少なく、そのためたんぱく質の利用効率が悪くなってしまっています。
豆類は全般的にこの「リシン」の含有量が多いため、米と豆類を組み合わせる日本の食文化は栄養効率が良いなどと言われます。
グリンピースは豆類と野菜類の特徴を持っているので、たんぱく質も含有しており、リシンを補う役割も果たしてくれます。
グリンピースは青豆ごはんにして食べることもありますが、まさに米と豆という良い組み合わせなのです。
しかも炭水化物を代謝するのに必要なビタミンB1も豊富に含んでいる点でも良い組み合わせと言えます。
豊富に含まれている不溶性の食物繊維は、腸のぜん動運動を活発にして排便を促す効果があります。
腸に排泄物を停滞させないことは、全身の健康につながる良い習慣です。しっかり余分なものは外に出しましょう。
不溶性食物繊維は水に溶けないため、水を含みながら膨れて体内を進んでいきます。
また口ではしっかり咀嚼しないと、飲み込みにくいという特徴もあります。
咀嚼をしっかりすることも、体内をゆっくり進んでいくことも満腹感をもたらす効果があります。
そのため太りやすい食事に傾いている方は、不溶性食物繊維を上手に利用してダイエットに活かしたいものです。
例えば青豆ごはんにして、一部のごはんをグリンピースに置き換えれば、ボリュームを損なわずに満腹感を得やすい主食となりますね。
β-カロテンやビタミンCを含んでいることから抗酸化作用も期待できます。
血中脂質が過酸化物となるのを防いでくれる働きが期待でき、動脈硬化対策にも役立つと言えるでしょう。
グリンピースの選び方
生のものを選ぶ際には、さやがピンとしていて割れていたり折れていたりしないものを選びましょう。
ガクやさやにシミや黒ずみが無いようなものが良品です。
保存ではビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れます。多湿でムレると鮮度劣化に繋がってしまうので、気をつけましょう。
鮮度劣化は早いので、早めに食べるか購入後にすぐゆでて冷凍するようにしましょう。
グリンピースの食べ方
むき実よりもさやに入っているものを買い求めて実を取り出した方が、乾燥もしておらず美味しさも損なわれていないでしょう。
ゆでる直前にさやから取り出します。煮たり炊いたりする場合には実と共にさやも入れると香りもしっかりついて、うま味も増します。
ビタミンB群、カリウム、ビタミンCと水分に流出しやすい成分が多いので、栄養価を比較すると水煮缶詰と生では差が歴然。
やはり調理の際も流出分もあますことなく食べられるような工夫をしたいところです。青豆ごはんやスープなどにして食べるのは良い方法ですね。
グリンピース まとめ

初夏の時期にしか味わえない生のものはやはり風味も格別です。
おいしくグリンピースごはんを食べながら、余分なコレステロールの排出もしたいところですね。