パセリは、なんだか身体に良さそうであるとは知っていても、ついつい添え物として手が出にくい野菜ではないかと思います。
でもイメージを裏切らない栄養価の高さですので、ぜひ召し上がっていただきたいと思います。

パセリの種類
パセリというと皆さんがイメージなさるのは、サンドイッチプレートに添えられてくる丸く縮まった姿ではないでしょうか。
あのパセリは日本では主流の縮葉種で、「モスカールドパセリ」と言います。
パセリにはその他に平葉種があります。「イタリアンパセリ」という名前は聞いたことがある方もおられるのではないでしょうか。
ヨーロッパではこちらがメジャーで、苦味が少なく、香りが強いという特徴があります。
モスカールドパセリに比べると葉もやわらかいので、なかなかパセリに手が出ないとい方は、イタリアンパセリからチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
パセリの栄養
パセリはその青々とした姿通り、緑黄色野菜ですのでβ-カロテンが豊富です。その他、ビタミンB群やビタミンC、ビタミンE、ビタミンKなど多くのビタミンを含んでいます。
またミネラルでも、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウムと日頃から意識して摂取したいものを多く含んでいます。
エネルギー | 43キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.6グラム |
不溶性食物繊維 | 6.2グラム |
カリウム | 1000ミリグラム |
カルシウム | 290ミリグラム |
マグネシウム | 42ミリグラム |
鉄 | 7.5ミリグラム |
亜鉛 | 1.0ミリグラム |
β-カロテン | 7400マイクログラム |
α-トコフェロール(ビタミンE) | 3.3ミリグラム |
ビタミンK | 440マイクログラム |
ビタミンB1 | 0.12ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.24ミリグラム |
ナイアシン | 1.2ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.27ミリグラム |
葉酸 | 220マイクログラム |
パントテン酸 | 0.48ミリグラム |
ビタミンC | 120ミリグラム |
※値は全て パセリ 葉 生 100グラムあたりの値
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
パセリの健康効果
パセリは葉の色が濃く、クロロフィルが含まれています。クロロフィルは植物が光合成をするうえで欠かせない成分です。
クロロフィルは抗酸化作用を有しており、発がんを抑制する効果があると期待されています。
また血中コレステロール値を下げて血液中の脂質のバランスを正常化する働きが知られています。これにより血栓の予防や血圧低下に働きかけるとされています。
この働きが、動脈硬化の予防につながります。クロロフィルの成分の一つに有機ゲルマニウムというものがありますが、これには身体のすみずみに酸素を送り届ける作用があります。これによって貧血の予防や改善が期待できると考えられます。
その他、クロロフィルは解毒作用・整腸作用・炎症鎮静作用なども認められている成分です。
植物が太陽光を使って光合成をするのに必要な色素は、私たち人間にとっても心強い成分です。
クロロフィルは血液色素のヘムと似た構造をしているのです。ですから私たちの体内では血液色素として働き、植物が光合成をするがごとく、私たち動物の体内にも酸素をめぐらせるのを手伝ってくれるのです。
パセリといえばさわやかな香りが特徴です。香りの成分はアピオールといいます。さわやかな香りによって胃液が分泌されやすくなり、消化促進や食欲増進効果が期待できます。利尿作用もあるので、腎臓の機能を整えてくれます。
同じく胃に刺激を与え、消化を促してくれるピネンという成分も、パセリには含まれています。ピネンは胃だけでなく腸でも、腸内環境を整える効果が期待できますから、消化・吸収を助けてくれる成分であることがわかります。
料理の添え物として飾られているパセリですが、単なる飾りではなく、口をさっぱりとさせてくれたり、メインの料理の消化を助けてくれたりとしっかりとした役目を持っていますから、ぜひ召し上がっていただきたいと思います。
低エネルギーで多くのビタミン・ミネラルを豊富に含む特徴に加え、色素・香り成分でも健康効果に期待できる野菜です。
パセリの食べ方
パセリが身体に良いとわかっても、パセリの難点は一度になかなかたくさん食べることができないところです。
どうしても日本で主流の縮葉種はしっかりとかたさもあるので、他の葉野菜のように食べることがイメージしづらいのではないでしょうか。
パセリを単なる添え物として利用するのではなく、みじん切りにすればスープやソース類にも混ぜ込みやすく、香りも良くなりますのでぜひ利用してみてください。
また揚げ物の際にパン粉と混ぜて衣にすれば多く召し上がることもできるほか、脂溶性ビタミンのβ-カロテンや、ビタミンE、ビタミンKの吸収も促進されます。
香りを活かすコツは、水にさらしすぎないことです。水溶性ビタミンのB群やビタミンC、水に溶けやすいカリウムの流出にもつながってしまいますので、ご注意ください。
あらかじめ刻んで冷凍しておけば、料理の仕上げに振りかけることもでき、摂取量アップにつながります。
パセリの選び方
パセリは色素の健康効果も期待して摂取しますので、葉の緑が濃く細かく縮れているようなものを選ぶと良いでしょう。
茎は廃棄してしまうことが多いとは思いますが、売り場で鮮度を確認する際には、茎にもみずみずしさがあるかを見て、黒ずんでいないようなものを選ぶようにしましょう。
なかなか一度に食べきることができないと思いますので、水で軽く湿らせて乾かないようにポリ袋に入れて冷蔵庫で保管します。
パセリ まとめ

栄養素の豊富さは野菜の中でもトップクラスと言えますし、難しい調理を必要とせずに食べることもできますので、取り入れないなんてもったいないですよ。
ぜひ日頃の食卓にパセリを取り入れる工夫をなさってみてください。