私たちが日頃食べている野菜は、さまざまな形で伝来してきましたが、1970年代の日中国交回復を機にいくつもの中国野菜が入ってきたというのも、一つの大きなきっかけです。
チンゲンサイはまさにその中で、私たちの食生活に根付いた野菜と言えるでしょう。

チンゲンサイの種類
チンゲンサイは漢字だと「青梗菜」と書かれます。日本では青軸のものをチンゲンサイといい、白軸のものをパクチョイと分類しています。
導入後は日本でも品種育成がなされ、栽培期間が短く生食もできるミニチンゲンサイができました。
ラーメンの具としてそのまま飾ることができるなどの使い勝手の良さで人気を集めています。
チンゲンサイの栄養
β-カロテンを豊富に含み、緑黄色野菜に分類されます。
ビタミン類はこのほかにも、ビタミンEやビタミンKといった脂溶性ビタミンと、水溶性ビタミンではビタミンCも含みます。
ミネラル類ではカリウムやカルシウムの摂取も期待できます。
アブラナ科の野菜ですので、アブラナ科野菜に含まれる辛み成分のイソチオシアネートも含んでいます。
エネルギー | 9キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.2グラム |
不溶性食物繊維 | 1.0グラム |
カリウム | 260ミリグラム |
カルシウム | 100ミリグラム |
鉄 | 1.1ミリグラム |
銅 | 0.07ミリグラム |
β-カロテン | 2000マイクログラム |
α-トコフェロール(ビタミンE) | 0.7ミリグラム |
ビタミンK | 84マイクログラム |
ビタミンB1 | 0.03ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.07ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.08ミリグラム |
葉酸 | 66マイクログラム |
ビタミンC | 24ミリグラム |
※すべて チンゲンサイ 葉 生 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
チンゲンサイの健康効果
β-カロテン、ビタミンE、ビタミンCという抗酸化作用を有するビタミンをすべてしっかり含有していますので、相乗効果でより強い作用を期待することができます。
余分な活性酸素を除去することは、がんの発生抑制につながりますし、脂質の酸化を防ぐことは動脈硬化の予防になります。もちろんビタミンCの持つ美白効果のような美容効果も期待できます。
栄養素の個別の働きでは、β-カロテンには皮膚やのどなどの粘膜を丈夫にする働きがあります。
粘膜が健康な状態では病原菌の侵入がしにくいため、感染症などから身を守る免疫力の高まりが期待できます。
ビタミンEは血行を良くするビタミンで、冷え性の女性の悩みを改善したり、血の巡りが良くなったりすることで顔色などもきれいになるため別名「若返りのビタミン」などと呼ばれます。
血流の改善は女性のみならず生活習慣病を予防する観点からも大切な働きです。
ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせないビタミンです。
コラーゲンが肌をはじめ組織たんぱく質の基礎部分とも言えるもの。
頑丈なコラーゲン線維が張めぐらされている健常な組織の維持に、しっかり摂取しましょう。
ビタミンCは損失の激しいビタミンですので、コンスタントに摂取しましょう。
ミネラルでは不足しがちでしっかり摂りたいカルシウムや鉄を含み、骨粗鬆症予防や貧血防止になるほか、余分なナトリウムを排泄してくれるカリウムによって高血圧予防につながります。
辛み成分で、アブラナ科野菜に含まれるイソチオシアネートは消化を助けたり、血栓を防いだりする役割が知られています。またがん予防でも期待を集める成分です。
チンゲンサイの選び方
葉が幅広く、やわらかさのあるものを選びましょう。鮮やかな緑色でツヤがあるかを確認します。
茎にキズがないかもチェック。茎は丸みを帯びていて、肉厚のものが良品です。
葉野菜ですので、乾燥に気をつけて保存する必要があります。湿らせた新聞紙でくるんで、立てて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
比較的日持ちの良い方ではありますが、シャキシャキした食感を楽しむならやはり鮮度の良いうちに味わいたいものですね。
チンゲンサイの食べ方
アクが少なく火が通りやすいという、使い勝手の良い野菜です。根元から縦に2~4つに切って使うと、トッピングにも見栄えよく利用することができます。
火を通す時には、根元の方から1分程度ゆでて、その後葉の部分までお湯に沈めればOK。
脂溶性ビタミンも多く含むので、油炒めのように油を使った料理で吸収率が高まります。
カルシウムを含みますが、吸収を助けてくれるビタミンDを含まないので、魚介類などと合わせると栄養効率が良くなるでしょう。
チンゲンサイは味にクセがないので、いろいろな食材と合わせやすく、もちろん魚との味の相性もバッチリ。
中国野菜ですから、あんかけにしても良いですね。
チンゲンサイ まとめ

栄養素をしっかり含んでいるうえ、下準備が簡単なため、栄養素の損失が少ないというのもありがたいところ。
日本への導入が比較的最近であるにも関わらず、すっかり定着したのもうなずけます。
旬は本来秋から冬ですが、水耕栽培もあって周年手に入れることができます。ご活用ください。