ヤーコンをご存知でしょうか。最近のスーパーフード流行りを受けてちょっと注目されています。
葉もお茶としても利用されている、健康イメージの強い食材です。

ヤーコンとは
ヤーコンはキクイモともいわれる、イモの一種です。アンデス地方を原産とし、見た目はサツマイモに似ています。
旬は11月~2月ごろ。食用で利用する部分は塊根、つまり根が肥大した部分になります。
生食することができて、シャキシャキとした食感が魅力。ナシのよう、などと形容され、甘さもほんのりあります。
甘さをもたらしているのはフラクトオリゴ糖。
イモ類は茎や根が肥大した部分に糖質を貯蔵していますが、たいていはでんぷんの形で糖質を貯めこんでいるのに対し、ヤーコンはフラクトオリゴ糖で糖質を貯めこんでいます。
この性質は、ヤーコンがスーパーフードとされる特徴の一つだと言えるでしょう。
ヤーコンの栄養
イモ類の中ではエネルギーが低いというのが特徴の一つ。フラクトオリゴ糖は糖質の一種ではありますが、甘さはありながらエネルギーになりにくい成分です。
食物繊維や、カリウムをはじめとするミネラル、ビタミンB1などのビタミン類を含有しているほか、ポリフェノールも含んでいます。
エネルギー | 54キロカロリー |
炭水化物 | 12.4グラム |
水溶性食物繊維 | 0.3グラム |
不溶性食物繊維 | 0.8グラム |
カリウム | 240ミリグラム |
β-カロテン | 22マイクログラム |
α-トコフェロール(ビタミンE) | 0.2ミリグラム |
ビタミンB1 | 0.04ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.01ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.08ミリグラム |
葉酸 | 25マイクログラム |
※すべて ヤーコン 塊根 生 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ヤーコンの健康効果
オリゴ糖類とは、糖質の最小単位である単糖が2~10分子連なったもの全体を指します。
その中にはショ糖(砂糖)や乳糖、麦芽糖のように速やかに私たちの身体に消化・吸収されて利用されるものもありますが、私たちの持つ消化酵素では消化されないものもあります。
ヤーコンに含まれるフラクトオリゴ糖もその一つです。
消化酵素で分解されませんから、大腸まで到達して腸内細菌によって分解されます。
善玉菌であるビフィズス菌を増殖させる効果があり、腸内環境を整えるのに役立ちますから、便秘解消にもなります。そのほかにも脂質異常症の改善にも効果があると考えられています。
低エネルギー甘味料であり、虫歯になりにくい甘味料として利用されることもあります。
甘みを感じながら血糖値が上がりにくいので、ダイエットや生活習慣病予防に役立ちます。
生活習慣病予防という観点では、ヤーコンが含有しているポリフェノールによる抗酸化作用にも着目したいところです。
活性酸素の働きを抑えてくれますので、フラクトオリゴ糖の働きで血中脂質バランスを整えるとともに、過酸化脂質の発生を抑制し、動脈硬化の予防につながります。
食物繊維も豊富ですので、腸内環境を整える作用も相乗効果が期待できるほか、カリウムによって余分なナトリウムが排泄され、高血圧予防にも作用します。
ヤーコンの選び方
イモ類の一種ですから、持ったときに重量感のあるものが良いでしょう。
形はさつまいものように、ふっくらと丸みを帯びているものを選ぶようにしましょう。皮に傷がないかも確認します。
貯蔵しておくとフラクトオリゴ糖の分解が進みショ糖などに変化するため、甘みを増してきます。
ヤーコンの食べ方
貯蔵している糖質がでんぷんではなくフラクトオリゴ糖であるため、生食できるのが特徴の一つ。
生食でサラダにして、ナシに似た風味とシャキシャキとした食感を楽しむのも良いでしょう。
甘みを強く出したい場合には加熱をすると引き立ちますが、フラクトオリゴ糖は加熱に弱いので、減少してしまいます。短時間加熱で仕上げると良いでしょう。
その甘さから、きんぴらなどに加工した場合には甘みを加える必要がないと言われるほどです。
ヤーコンそのもののヘルシーさに加え、味付け面でもヘルシーに仕上げることができますね。
イモ類ではなかなか難しい、スムージーなどへの加工も可能。
ヨーグルトのような発酵食品と合わせれば、腸内細菌へのアプローチはさらに充実したものになりますし、甘みをあまり加えずにジュースにできる点も良いですよね。
ヤーコン まとめ

ダイエット効果や便秘解消をはじめ、さまざまな生活習慣病対策に効果が期待できるばかりか、アンチエイジング効果も期待できるので、女性にもうれしい食材です。
フラクトオリゴ糖のように腸内に住んでいる有用菌の増殖に役立つ働きをするものを「プレバイオティクス」と言います。
発酵食品をはじめとする有用菌を直接摂取する方法「プロバイオティクス」と合わせて利用していくと、より腸内環境を整える効果が高まります。
腸内環境を整えることで得られる効果は知られていないこともたくさんありますが、未知の可能性を秘めています。
続けておいてよかったと思える習慣をつけましょう。