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妊活&妊娠 妊婦さん向け葉酸摂取まとめ【保存版】

葉酸とは?葉酸の栄養素としての基礎知識

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葉酸の栄養素としての話~葉酸について学んでみましょう~

(1)葉酸はビタミンの一種!?

葉酸は、水溶性ビタミンであるビタミンBの一種です。プテロイルグルタミン酸とも言います。ほうれん草の葉から発見されたため、葉酸と名づけられました。

葉酸は、ほうれん草のような葉物の野菜や、うなぎや鶏肉といった動物性食品など多くの食べ物に含まれていて、糖やタンパク質とくっついて存在しています。

食品中には「プテロイルポリグルタミン酸」という、プテロイン酸という物質にグルタミン酸がたくさんつながった状態で存在しています。

*「ポリ」というのは、重合体(じゅうごうたい)をあらわす「ポリマー」のことで、多くの「モノマー(単量体)」が鎖や網の目のようにくっついた物質のことです。
たとえば、スーパーの袋や食品用のラップに使われているポリエチレンですが、これは、エチレンという物質がたくさんつながってできたものです。また、洋服の繊維でよく見かけるポリエステルも同じようなポリマーです。ポリマーと聞くと難しいイメージですが、実はとても身近なものなんです。

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食品中の葉酸(プテロイルポリグルタミン酸)は、加熱調理などで加工されたり、私たちの胃腸で消化されたりするうちにタンパク質や糖が外れ、小腸の粘膜にある酵素によっモノマー(プテロイルモノグルタミン酸)になります。

そして、小腸の粘膜から体内に吸収されます。一方で、加工食品や栄養強化食品(サプリメント、栄養ドリンクなど)などに使われている葉酸(合成された葉酸)は、モノマーであるプテロイルモノグルタミン酸の形で存在しています。

体内に吸収されたプテロイルグルタミン酸は、アミノ酸や核酸(DNAやRNA)の合成に携わっています。葉酸は、DNA合成が頻繁に行われている赤血球や、細胞分裂が活発に行われている胎児の発育に特に必要となる栄養素です。

(2)葉酸は身体の中でどんな働きをしているの?

葉酸の働きとして主に、

  1. 核酸の合成に関わる
  2. アミノ酸の代謝に関わる

といった働きがあります。
これだけ聞いても、ピンとこないですよね。

核酸は、地球上の多くの生物の遺伝情報をもつ物質で、DNAやRNAが有名です。これらは私たちの身体の組織の細胞一つ一つに含まれていて、細胞が分裂して新しい組織を作るためには核酸を次々にコピーしていく必要があります。

葉酸はその過程で力を発揮します。受精卵という、たった一つの細胞は、胎児となるべくものすごいスピードで細胞分裂を繰り返して成長していきますが、その時にたくさんの葉酸が必要になります。

もし葉酸が不足してしまうと、妊娠初期段階(妊娠に気づかないくらいの時期です)で、受精卵が細胞分裂を繰り返して様々な組織のもとを作っていく際に、胎児の脳や神経を形成する神経管が正常に作られず、神経管閉鎖障害という異常が起こる可能性が高くなります。

神経管閉鎖障害は、具体的には、胎児の無脳症や二分脊椎などで、無脳症の場合は死産のリスクが高くなり、二分脊椎では産まれてから様々な体の障害が出るため長期的なリハビリや治療が必要になります。

そのため、「妊活のためには葉酸をたくさん摂ろう!」と、いろいろなところで葉酸の話を聞くことになるんですね。また、胎児の神経管閉鎖障害を予防するために、厚生労働省も普段の食事以外にサプリメントで葉酸を摂取することを推奨しています。

神経管閉鎖障害が起こる原因は葉酸不足に限りませんが、葉酸サプリメントを付加することによって、神経管閉鎖障害が減ったという調査もありますので、妊活中の方は葉酸を多めに摂りましょう。

ちなみに、神経管閉鎖障害が起こるとされている妊娠の時期は、まだ妊娠に気づかないくらいの初期段階で、およそ妊娠4週目ごろです。つまり妊娠に気づくころには神経管はすでに完成していることになります。国を挙げて、妊娠を望む女性に葉酸を強く勧めるのにはこのような理由があったのです。

参考:「葉酸とサプリメント-神経管閉鎖障害の低減に対する効果」厚生労働省e-ヘルスネットより
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html

血液の成分である赤血球は、肺で酸素を受け取り、全身の細胞に酸素を届ける役目をしています。寿命はわずか120日と短く、私たちの身体の中で常に新しく作られています。

もちろん、赤血球も細胞の一つですから、骨髄で赤血球のもとになる細胞から細胞分裂してできあがります。その際に、赤血球の一歩手前の、赤芽球(せきがきゅう)を作るためにビタミンB12と共に働くのが葉酸です。

葉酸が不足すると、赤芽球から赤血球になる過程で不具合がおこるため、赤芽球が増えるばかりで正常な赤血球が作られず、全身に酸素が十分にいきわたらなくなるために貧血になってしまいます。

貧血は、鉄分が不足して起こる、と思われがちですが、このようにビタミン不足によって起こる貧血もあります。

参考:グリコ 栄養成分ナビゲーター「葉酸」
http://www.glico.co.jp/navi/dic/dic_24.html

葉酸はアミノ酸の代謝にも深く関わっていて、ホモシステインというアミノ酸をメチオニンに変える働きをします。ホモシステインは食物に含まれていて食べ物から私たちの身体に入り、私たちの血液中にも存在しています。

血液中のホモシステインが一定量を超えると、血管内皮細胞(血管の内側の壁を作っている細胞)を傷つけてしまいます。

傷ついた血管が修復されるたびに血管の壁が厚くなり(ケガをしたあとにかさぶたができるようなイメージです)、動脈硬化を引き起こすとされています。葉酸が働くことでホモシステインがメチオニンに変わり、血液中のホモシステインが増えすぎないようにうまく調整されているんですね。

葉酸不足によって引き起こされた動脈硬化は、将来、脳梗塞や心筋梗塞などの重い生活習慣病のリスクを高めてしまいます。

葉酸はほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれています。葉酸が不足するということは、野菜不足が原因であることが多く、食事のバランスが良くないと考えられます。

野菜をたくさん食べることは、動脈硬化やそれによって引き起こされる脳梗塞や心筋梗塞を予防することにもつながるんです。

参考:財団法人日本心臓財団 動脈硬化を防ぐ「葉酸」の働き
http://www.jhf.or.jp/topics/2014/003494/

少し難しいことをお話ししましたがいかがでしょうか。

葉酸は私たちの身体の細胞レベルで非常に大切な役割をしてくれています。次のトピックにも書きますが、葉酸は読んで字のごとく、ほうれん草やブロッコリー、モロヘイヤなどの緑黄色野菜に多く含まれます。「妊活中は野菜をたっぷりと」「緑黄色野菜をたくさん食べると動脈硬化を防げる」などメディアで言われていますが、細かく見ていくとこのようなシステムになっているんですね。

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