昆布はだしをとることもできますし、直接食べる機会もあって利用頻度の高い食材です。
海藻類はエネルギーが低く、食物繊維を多く含むため、血中コレステロール値の低下対策には積極的に摂取していきたいものです。

こんぶの種類
こんぶにはいろいろと有名なものがあります。
日高こんぶは値段が安く、手軽に味わえる昆布です。くせがなく、良いだしがとれます。こんぶ自体もやわらかいので、煮て食べるのにも向いています。
羅臼こんぶは濃厚な色で味の濃いだしがとれます。だしをとるのに適していて、高級な昆布です。
同じく高級なのが利尻こんぶ。澄んだ強いうま味が感じられるだしをとることができます。甘みのある良いだしがとれますが、こんぶ自体はかたいので、食べるのには適していません。
真こんぶも高級品種の一つ。だしに使うほか、佃煮やこぶ巻き、おぼろこんぶにも使われます。おめでたい席に登場するのも、真こんぶです。
長こんぶは沖縄でよく食べられえるこんぶです。炒め物や煮物に使われたり、だしをとったりしてよく用いられています。
こんぶの栄養
こんぶでだしがとれるのは、うま味成分のグルタミン酸が含まれているからです。
食物繊維が豊富で、β-グルカンやフコイダンといった種類を含んでいます。ぬめりの正体はアルギン酸です。
海藻類のなかでもヨウ素を豊富に含んでいます。色素も濃いので、β-カロテンも豊富です。
まこんぶ 素干し 10グラム |
りしりこんぶ 素干し 10グラム |
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エネルギー | 15キロカロリー | 14キロカロリー |
食物繊維 総量 | 2.7グラム | 3.1グラム |
カリウム | 610ミリグラム | 530ミリグラム |
カルシウム | 71ミリグラム | 76ミリグラム |
マグネシウム | 51ミリグラム | 54ミリグラム |
鉄 | 0.4ミリグラム | 0.2ミリグラム |
ヨウ素 | 20000マイクログラム | (提示値なし) |
β-カロテン | 110マイクログラム | 85マイクログラム |
ビタミンK | 9マイクログラム | 11マイクログラム |
ビタミンB1 | 0.05ミリグラム | 0.08ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.04ミリグラム | 0.04ミリグラム |
葉酸 | 26マイクログラム | 17マイクログラム |
ビタミンC | 3ミリグラム | 2ミリグラム |
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
こんぶの健康効果
こんぶの表面はぬるぬるしていますが、いくつかの成分が考えらえます。
そのうちの一つが食物繊維のフコイダンという成分で、こんぶの中でもとろろこんぶにするがごめこんぶに多く含まれています。
フコイダンにはピロリ菌が胃に付着するのを阻止したり、腸の健康を保ったりする働きが知られています。
そのほかにも肝臓機能向上やがん細胞を死滅に導くことで抗がん作用があるとされています。
また血圧上昇抑制や免疫力を高める、アレルギーを抑えるといった効果にも期待されています。
食物繊維ではβ-グルカンも含有しており、β-グルカンには腫瘍抑制作用や免疫力の向上が知られていて、生活習慣病予防の観点から期待の集まる成分です。
こんぶには血圧を下げる働きが古くから知られてきましたが、これはアルギン酸によるものだと考えられています。こんぶの細胞壁と細胞間に存在するぬるぬるとした成分です。
ぬめりの成分はコレステロールの吸収を抑制したり、体外に排出する手助けをしたりする働きによって動脈硬化の予防にもなります。
海藻に多く含まれるヨウ素は一般的に日本人では不足の心配はあまり必要ないとされていますが、代謝に関与しており非常に重要な栄養素です。
こんぶは特にヨウ素を豊富に含有しています。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの成分であり、発育を促進したりエネルギー産生を高めたりします。
ただしヨウ素は不足でも過剰でも甲状腺の機能に支障をきたしますので、日頃の食事で海産物をきちんと摂取できている方は、今よりも余計に摂取することを考える必要はないでしょう。
甲状腺疾患になるとこんぶの食べ過ぎがないように注意を受けます。いかにこんぶにヨウ素が際立って豊富に含まれているかをうかがうことができますね。
ヨウ素以外にも鉄やカルシウムといったミネラル類が含まれていますので、貧血予防や骨の健康維持のためにも摂取しておきたい食材であると言えますね。
こんぶの選び方
分厚くて全体に白い粉がついているようなものが良いでしょう。緑色はしっかりと濃く、つやのあるものを選びます。乾燥品を求める場合には、よく乾燥しているかも重要なチェックポイントです。
乾燥品ですから保存の際にも湿気に注意します。密閉容器に入れて、乾燥したところで保存しましょう。冷蔵庫である程度の期間保存することが可能です。
こんぶの食べ方
おいしいこんぶには表面に白い粉がまんべんなくついています。
これはマンニットといううま味のもとですので、水洗いをしてしまうとせっかくのおいしさが洗い流されてしまいます。汚れを落とす作業は拭き取る程度にしましょう。
だしをとる場合には、沸騰させてしまうとこんぶ臭さがでてしまうので気をつけます。
だしをとった後のこんぶは佃煮や煮物などにして利用しましょう。素揚げにして塩味にしてもおいしく食べることができます。
日本でいちばんこんぶを食べているのは沖縄だというデータもあります。沖縄には「くんぶいりちー」という家庭料理があります。
こんぶやかまぼこ、豚肉などを甘辛く炒め煮る料理です。
こんぶ まとめ

ていねいにだしをとってお料理できる機会は少ないかもしれませんが、こんぶはだしをとるだけでなく、直接食べることのできる料理も多いので取り入れやすいですね。