トロピカルフルーツであるマンゴーは、近年いっきに消費が増えてきた果物です。
輸入中心だった品種も、宮崎県や沖縄県で高級完熟品が生産されるようになって、ブランド果物としても人気です。

マンゴーの種類
マンゴーは品種による違いが大きい果物です。種類によって皮の色も赤いものや黄色いもの、珍しいものでは緑色のものもあります。
日本や台湾で作られるのが、アーウィン。皮の赤いマンゴーです。アップルマンゴーやブランドマンゴーの「太陽のたまご」はこの品種です。
舌ざわりがなめらかで、甘さは濃厚、酸味はやわらかい、食べやすい味です。
フィリピンのペリカンマンゴーも有名ですよね。カラバオという種類です。皮も果肉も鮮やかな黄色で、やや酸味がきいています。
マンゴーはタイ産も多く出回ります。ナムドクマイという品種で、きめの細かさと強い甘みが感じられます。
マンゴーの栄養
なんといってもフルーティーで生の果実がそのままデザートとしても楽しめるほどの濃厚さを持っています。
でもエネルギーは意外と高くありませんから、ダイエットにも適していますね。
色素がしっかりと濃いおかげで、β-カロテンを含有しています。また色素にはエリオシトリンというポリフェノールも含まれています。
β-カロテンに加え、ビタミンEやビタミンCも含有しているため抗酸化作用が相乗効果でさらに強まり、美容にもうれしい果物となっています。
食物繊維が多い点でも美容、健康ともに効果が期待できます。
エネルギー | 64キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.6グラム |
不溶性食物繊維 | 0.7グラム |
カリウム | 170ミリグラム |
銅 | 0.08ミリグラム |
β-カロテン | 610マイクログラム |
ビタミンB1 | 0.04ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.06ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.13ミリグラム |
葉酸 | 84マイクログラム |
ビタミンC | 20ミリグラム |
※すべて マンゴー 生 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
マンゴーの健康効果
果物でありながら、緑黄色野菜にも匹敵するβ-カロテンを含有しているのがマンゴーの大きな特徴です。
β-カロテンにビタミンEやビタミンCと強い抗酸化作用を持つ栄養素を併せ持っていることでを強い効果発揮し、活性酸素の働きを抑制します。
活性酸素の抑制は、細胞の老化を遅らせる効果や過酸化脂質の生成を抑制することにつながりますので、で、美容だけでなく生活習慣病予防も期待できます。
果肉に含まれるポリフェノールの一種であるエリオシトリンはフラボノイド系の色素で、やはり強力な抗酸化作用を持ち、過酸化脂質の生成を抑えてくれます。
その働きによりがんや糖尿病などの抑制に働くものと期待されています。
食物繊維では、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も含有しています。
水溶性食物繊維は水に溶けて粘性を増し、ゆっくり移動していくことで余分なコレステロールを吸着してくれたり、血糖値の急激な上昇を抑制してくれたりすることでダイエットにもうれしい効果を持っています。
不溶性食物繊維は水を吸ってかさが増し、便を形成して腸壁を刺激することで排便を促してくれます。余分なものは吸収させずに排泄する、両者の効果が期待できるのです。
美容面でも注目を集めることの多い、マンゴー。
抗酸化作用の強い栄養素を持っていることだけでなく、造血作用のある葉酸を含んでいることも関係しているでしょう。
葉酸は特に若い女性では、妊娠・出産を見据えてしっかり摂取したい栄養素。
出産に関係ない男性であっても、貧血予防などのためにはきちんと摂っておきたいと言えます。
貧血気味の顔色はどうしても青白くなりがち。
葉酸の摂取で貧血予防に努め、血色の良い顔色を手に入れましょう。
マンゴーはときに「果物の女王」などと表現されることもあります。
濃厚な味わいや華やかな見た目からこのように表現されるのかと思っていましたが、健康効果を知れば、こちらもまた女王の名にふさわしいことがわかります。
マンゴーの選び方
色が濃く、皮に傷のないものを選びましょう。色が濃ければそれだけβ-カロテンやポリフェノールの摂取につながります。
皮に黒い斑点が見えてくると鮮度が落ちてきていますので、避けるようにしましょう。
食べごろは軽く押してみて柔らかくなったころです。
南国のフルーツですから保存は常温で。
熟したものをこれ以上やわらかくしたくない場合にはぴったりとラップをして紙袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。
カットしたものも同様に保存しますが、できるだけ早めに食べきるようにしましょう。
マンゴーの食べ方
果肉をそのまま食べるだけでも十分おいしいですが、甘さが濃厚ですので酸味のあるヨーグルトなどとあわせても良いでしょう。
フルーツサラダのようにほかの果物と組み合わせても、フルーティーさでは負けませんし、色合いも華やかになりますね。
中心に大きな種がありますから、切るときに3枚に切って種を外し、あとは格子状に切れ目を入れればそのまま食べることができます。
マンゴーはドライフルーツも人気です。
ビタミンの損失を考えるとドライマンゴーをたくさん食べることはオススメではありませんが、ドレッシングなどに入れて料理でマンゴーを楽しむ場合には、ドライマンゴーが使いやすいかもしれません。
マンゴー まとめ

果物でありながらβ-カロテンの摂取ができる点は栄養的に見て、かなり魅力です。
熟すとさらに含有量が増えますから、追熟させて良いタイミングでおいしく召し上がってください。