すももは桃よりもすっぱいので、「すもも」と名付けられたとか。
たしかに形状は似ているものの桃よりも酸味が強く、果肉もしっかりとしていて、桃と杏の中間のような存在です。
種類は意外と多く、楽しみやすい果物です。

すももの種類
すももは品種の多い果物です。皮の色をとってみても、赤みのつよいものもあれば、黄色いものや緑色のものもあります。
系統としては、大きく分けると「にほんすもも」と「西洋すもも」に分かれます。
「にほんすもも」では、大石早生(オオイシワセ)やソルダムといった品種がよく食べられています。
大石早生は大きな実で、果肉の色は薄い黄色。完熟してくると皮は赤くなってきます。やわらかくてジューシーなうえ、甘みと酸味のバランスがよく、生食に適した品種です。
同じくソルダムも生食向き。果肉が赤く、皮は緑色の状態で出回りますが、完熟が進むと赤みがさしてきます。甘みが強いのが特徴。
「西洋すもも」では、プルーンが代表的。皮は薄く、果肉はしまっていて、ドライフルーツや加工品にして楽しまれます。
すももの栄養
栄養素ではβ-カロテンやビタミンEといった脂溶性ビタミンも、葉酸などの水溶性ビタミンも摂取することができます。
ペクチンも含有しており、水溶性食物繊維も豊富。カリウムとあわせて排泄効果に優れた食品です。
酸味はクエン酸やリンゴ酸といった有機酸によるもの。皮の赤みが強いものからはアントシアニンの摂取も期待できます。
エネルギー | 44キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.4グラム |
不溶性食物繊維 | 1.2グラム |
カリウム | 150ミリグラム |
β-カロテン | 76マイクログラム |
α-トコフェロール(ビタミンE) | 0.6ミリグラム |
ビタミンB1 | 0.02ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.02ミリグラム |
ナイアシン | 0.3ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.04ミリグラム |
葉酸 | 37マイクログラム |
ビタミンC | 4ミリグラム |
※すべて にほんすもも 生100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
すももの健康効果
果物に多く含まれているペクチンは水溶性食物繊維の一種。水溶性食物繊維は水に溶けて食品の水分を抱き込み、粘度を持ちます。
消化されることなく体内をゆっくりと移動しながらブドウ糖の吸収を緩やかにしたり、コレステロールの吸収を抑制したりします。
これにより糖尿病や動脈硬化といった生活習慣病の予防に働くと考えられていて、積極的に摂取したい栄養素です。
抗酸化作用を持つ、β-カロテン・ビタミンE・ビタミンCのいずれも含んでいる点も、動脈硬化の予防にうれしい効果。
体内での過酸化脂質の生成を抑制してくれます。カリウムによって余計なナトリウムを体外に排泄できれば高血圧の予防にも働くので、総合的に生活習慣病予防に働きかけてくれる食材といえます。
酸味と甘みの両方を感じることができるのが、すももの魅力の一つ。酸味はクエン酸やリンゴ酸といった有機酸によるものです。
これらはいずれも体内の代謝時に必要となる成分ですので、摂取すると疲労回復に効果を発揮してくれるのではないかと考えられています。
またカルシウムなどの吸収しにくいミネラルは有機酸と一緒に摂ると吸収率が高まりますので、食後に食べるだけでなく、酸味を活かしてお料理にも活用されてみてはいかがでしょうか。
すももの選び方
皮にハリがあって、色の濃いものが良いでしょう。ただし熟成が進み過ぎると、表面のハリが失われていきます。
適度な弾力と適度な重量があるものを選びましょう。
表面に白く粉がふいているようなものは一見すると敬遠しがちですが、むしろ選びたいもの。
これはブルームといって果物自身が出しているもので、完熟の証のようなものなのです。
熟度が進んでいるものはポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
完熟していないものは常温に置いておくと、追熟します。色づきが良くなり、香りが出てきたら熟してきたサインですので、冷蔵庫へ移しましょう。
すももの食べ方
皮が薄く調理しやすいうえ、ジャム作りに必要なペクチンも含まれていますから、コンポートやジャムのような食べ方をするのも良いでしょう。
甘いだけでなく酸味もきいていますから、生の状態でサラダに使ったり、火を通して肉とあわせたりしてもおいしく食べることができます。
水溶性食物繊維やカリウム、ビタミンB群、ビタミンCの損失を抑えて摂取できるよう、煮込んだ汁ごとソースのように使うようにすると良いですね。
お料理に利用しやすいのはドライプルーンの方かもしれません。
甘みが凝縮されていて味が濃くなっていますから、お肉とあわせても負けない味わいがあり、煮込み料理などにも適しています。
すもも まとめ

生食しようと思うと「こんなには食べないし…」と躊躇して、なかなか手が伸びないかもしれません。
でも加工も簡単でお料理にも使えるとなれば、もう少し気軽に手に取っていただけるのではないでしょうか。
生活習慣病予防に期待できることは数多くありましたので、ドライプルーンだけでなく生果のすももにもご興味をお持ちいただければと思います。