お鍋の時期には欠かすことのできない食材である、白菜。葉物野菜でありながら熱を通しても食感を損なわない部分があったり、淡色野菜でありながらβ-カロテンを含んでいる箇所があったりと、独特な存在感を放っています。

白菜の種類
白菜の種類は意外にも豊富です。
形では葉がどのように巻くかといった観点で、結球型・半結球型・不結球型と分かれます。日頃食べる機会が多いのは、上部の葉が重なって球頭部分が丸くなる結球型。
色では白と緑のコントラストがきれいな野菜ですが、内部がオレンジ色の「オレンジはくさい」という種類も最近では人気品種。
何といっても大きいので、カットしているものを買い求める機会が多いかと思いますが、「ミニはくさい」という1キログラム前後の片手で持てるサイズのものも出てきました。
鍋の季節に多食されるので冬野菜のイメージが強いのですが、産地リレーの甲斐もあって、周年手に入れることができます。
白菜の栄養
水分をたっぷりと含んでシャキシャキとした食感が楽しめますが、ミネラル類ではカリウムやカルシウム、ビタミン類ではビタミンCをはじめ、緑色の部分にはβ-カロテン、葉物野菜ですので葉酸、脂溶性ビタミンのビタミンKと栄養素も豊富に含んでいます。
またアブラナ科野菜ですので、特有の成分であるイソチオシアネートも含んでいます。
エネルギー | 14キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.3グラム |
不溶性食物繊維 | 1.0グラム |
カリウム | 220ミリグラム |
カルシウム | 43ミリグラム |
β-カロテン | 92マイクログラム |
ビタミンK | 59マイクログラム |
ビタミンB1 | 0.03ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.03ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.09ミリグラム |
葉酸 | 61マイクログラム |
ビタミンC | 19ミリグラム |
※すべて はくさい 結球葉 生 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
白菜の健康効果
白菜は水分を多く含みながら、利尿作用を持つカリウムも含むことで、より一層高い排泄効果が期待できます。
ビタミンCが豊富であることから、免疫機能を高めたい冬場にはもってこいの野菜です。
アブラナ科野菜に含まれているイソチオシアネートは、がんを予防してくれる働きが大変期待されている成分で、アブラナ科野菜の一種である白菜も、当然この成分を含んでいます。
イソチオシアネートが発がんを抑制すると考えられるのは、解毒作用を活性化するためです。
肝臓や腸管といった臓器に解毒酵素を誘導する働きをするのではないかと考えられています。
この成分は白菜に含まれているグルコシノレートが、調理や咀嚼によって細胞が壊れて出てきたものと酵素が反応することで変化してできます。
そのため、イソチオシアネートの効果をしっかり得るためには、よく噛んで食べるのが効果的。
グルコシノレートは熱に強くないので、生食でより摂取が期待できます。漬物利用をされることの多い白菜では、摂取がしやすいと言えるでしょう。
白菜といえばキムチもありますよね。
発酵食品であるキムチは白菜を生食するだけでなく、乳酸菌の摂取にもつながり、さらには辛味成分のカプサイシンも摂取できる健康的な食べ物と言えますね。
白菜はクセのない味わいで、量もたくさん摂取しやすいので、健康効果を得るには適した野菜だと言えるでしょう。
イソチオシアネートはがんへの作用のほかにも、消化促進作用によって食欲を増進する働きや、代謝を高める働きも知られています。
また、血栓を予防する働きも期待されていることから、血管系疾患のリスクを低下してくれると期待が寄せられます。
白菜の選び方
ずっしりと重量感があり、外の葉の色が濃いものを選びましょう。結球型のものではしっかり葉が巻いているものが良いでしょう。
カットされているものを選ぶ場合には、切り口が盛り上がってきていないかをチェック。
盛り上がってきている場合は、カットしてから時間が経過していると考えられます。
家庭での保存は新聞紙などにくるんで涼しいところに置いておきましょう。生えているときと同じように立てて保存すると良いでしょう。
カットしてある場合にはラップで包んだりビニール袋に入れたりして、冷蔵庫の野菜室で保存します。
白菜の食べ方
水溶性ビタミンもしっかり摂取するには、汁ごと食べられる鍋やスープが向いています。イソチオシアネートの摂取を期待する場合には漬物やサラダなどの生食で。
味にクセがなく、合わせる食材を選びません。豚肉と合わせてミルフィーユ鍋にすれば、たくさんの白菜を摂取することができます。
骨をつくるのを助けるビタミンKも含んでいますから、カルシウム豊富な牛乳と合わせてミルク味の優しい味わいのスープにしても、栄養面でも強化されて良いでしょう。
白菜 まとめ

それぞれの含有量はいずれも群を抜いて多いという訳ではありませんが、食べやすさやアレンジのしやすさから、一度にたっぷりと食べられることで、貴重な栄養素の摂取源としての役割を果たします。
冬場のみならず、漬物やサラダにアレンジして、暑い季節にもぜひ召し上がってください。