みょうがは日本原産の野菜の一つ。日本原産の野菜はそれほど多くありませんが、みょうがは古くから食べられてきました。でも世界でみょうがを食用とする国は珍しいそうです。
夏に旬を迎えますが、さわやかな香りは暑い季節にピッタリのさわやかさを醸し出してくれます。

みょうがの種類
私たちが食用としているみょうがには、つぼみ状の「花みょうが」と、幼茎を軟白栽培した「みょうがたけ」があります。
花みょうがはいわゆるよく食用とするみょうがのことで、みょうがたけは竹のように細長い姿をしています。食べ方は花みょうがと同じように利用することができます。
日本では薬味として利用されるのが一般的ですが、漢方の世界では生薬として煎じたり外用薬にしたりして利用されてきました。
みょうがの栄養
ミネラルではカリウムやカルシウム、マグネシウムなどを含み、ビタミン類では葉酸などを摂取することができます。
独特な香りの成分はαピネンというものです。また辛みも感じられますが、これはミョウガジアールという成分が含まれることによるものです。
みょうが 花穂 生 | みょうがたけ 茎葉 生 | |
エネルギー | 12キロカロリー | 7キロカロリー |
水溶性食物繊維 | 0.4グラム | 0.1グラム |
不溶性食物繊維 | 1.7グラム | 1.0グラム |
カリウム | 210ミリグラム | 350ミリグラム |
カルシウム | 25ミリグラム | 11ミリグラム |
マグネシウム | 30ミリグラム | 7ミリグラム |
ビタミンB1 | 0.05ミリグラム | 0.02ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.05ミリグラム | 0.02ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.07ミリグラム | 0.02ミリグラム |
葉酸 | 25マイクログラム | 13マイクログラム |
※すべて100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
みょうがの健康効果
みょうがは主に香味野菜として利用されますから、香りの高さや辛みなどのアクセントをつける働きは大切です。
香りをもたらしてくれるαピネンという成分は、食欲増進や血行促進、発汗作用などを持っています。
熱を冷ます作用もありますから、旬を迎える暑い季節にピッタリの効用だと言えるでしょう。
刺激を与えてくれる辛みの成分であるミョウガジアールという成分には抗菌作用や解毒の働きが期待できます。
食中毒の心配な暑い季節には抗菌作用はうれしいですね。現在期待が高まっている作用として血栓を予防してくれる効果があるのではないかということで、研究が進んでいます。
みょうがのように香味野菜と利用される野菜は一度に食べる量はそれほど多くないかもしれません。
でも意識してトッピングしていると特有の成分の効果はもちろんですが、日頃から意識して摂取したい食物繊維やカリウムを少しずつプラスしていくことができます。
1日350グラム食べたいとされている野菜ですが、多くの方はこの目標がクリアできていません。
一度にたくさんの野菜を食べようと思ってもなかなか難しいという方の場合は、みょうがを含めた香味野菜を上手に利用して、気づいたときにトッピングするようにしていけば、少しずつではありますが目標に近づきやすくなるでしょう。
みょうがの選び方
花みょうがでは、花が開いてしまっていると味が落ちてしまうので避けましょう。ほんのりと赤みがある外観ですが、赤みが鮮やかなものを選ぶようにします。
小ぶりで少しふっくらとしたシルエットのものを選ぶと良いでしょう。
みょうがたけの場合は、茎が白くて葉先は薄く赤みがかっているようなものが良品です。茎が茶色や緑になっているものは成長しすぎてしまっているので、あまり良い状態ではありません。
乾燥するとせっかくの香りが損なわれてしまいますので、保存の際には湿気を持たせるようにしましょう。
ひとつずつをラップでくるむとか、湿らせたキッチンペーパーで包むなどして冷蔵庫の野菜室で保存します。まるごと冷凍させることも可能です。
みょうがの食べ方
アクがありますので、生で食べる場合には切ったら水にさらしてから食べましょう。ただし長時間さらしてしまいますと水溶性の成分が溶出してしまいますので、気をつけたいところ。
まるごと食べるイメージが薄いかもしれませんが、まるごと焼いたものに味噌をつけて食べるとか、てんぷらにするなどしてもおいしく召し上がれます。
長期間の保存に向かないので、長く楽しみたい場合には半分に切ってさっと熱湯にくぐらせ、甘酢漬けにすると常備菜として楽しむことができます。
みょうが まとめ

みょうがの良さはみょうがでなくてはなかなか味わうことができません。
薄ほんのりと赤みがあるところもお料理を華やかにしてくれます。
日頃のお料理の上にちょっとトッピングするクセをつけて、香りとおいしさをプラスしながら栄養素の摂取もしていきましょう。