鍋の季節には欠かせないねぎですが、最近では小口切りしたねぎがコンビニエンスストアの野菜売り場に売られていますので、薬味としても欠かせない食材であることがわかります。

ねぎの種類
日本で食べられているねぎは大きく分けると、「加賀群」「千住群」「九条群」の3つに大別されます。
ねぎは関東では白い部分を食べる「加賀群」「千住群」が利用され、これらを長ねぎと呼んだり、根深ねぎと呼んだりします。
関西では「九条群」が多く利用されて、主に緑色の部分を食べるので、青ねぎと呼んでいます。
「加賀群」の代表品種は下仁田ねぎ。白い部分が太くて短い見た目で、生では辛い味わいが加熱すると非常に甘く、やわらかくなります。
「千住群」の代表品種はそのまま、千住ねぎで葉肉がかたい品種です。
「九条群」ではおなじみなのが九条ねぎ。太いもの、細いものとあります。
軟白部分を食べるか葉の部分を食べるかで大きくわかれるねぎですが、「赤ねぎ」という赤い色の肉質のものもあります。
ねぎの栄養
どの部分を食べるかによって栄養的な性質が変わってきますので、ご自身が食べているのが根深ねぎなのか、葉ねぎなのかを理解しましょう。
緑の葉を多く食べる場合にはβ-カロテンの摂取が期待できます。白い部分部分では、ねぎ類で特徴的な硫化アリルが多く含まれます。
根深ねぎ 葉 軟白 生 |
葉ねぎ 葉 生 |
|
エネルギー | 34キロカロリー | 30キロカロリー |
不溶性食物繊維 | 0.3グラム | 0.3グラム |
水溶性食物繊維 | 2.2グラム | 2.9グラム |
カリウム | 200ミリグラム | 260ミリグラム |
カルシウム | 36ミリグラム | 80ミリグラム |
鉄 | 0.3ミリグラム | 1.0ミリグラム |
β-カロテン | 82マイクログラム | 1500マイクログラム |
α-トコフェロール(ビタミンE) | 0.2ミリグラム | 0.9ミリグラム |
ビタミンK | 8マイクログラム | 110マイクログラム |
ビタミンB1 | 0.05ミリグラム | 0.06ミリグラム |
ビタミンB2 | 0.04ミリグラム | 0.11ミリグラム |
ビタミンB6 | 0.12ミリグラム | 0.13ミリグラム |
葉酸 | 72マイクログラム | 100マイクログラム |
ビタミンC | 14ミリグラム | 32ミリグラム |
※すべて 100グラムあたりの値。
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ねぎの健康効果
ねぎ特有の香りの成分は含硫化合物の硫化アリルによるものです。軟白部分には特に多く、アリシンという成分が含まれています。
アリシンはビタミンB1の吸収を助けてくれます。
ビタミンB1は炭水化物の代謝には欠かせない栄養素でありながら、水溶性ビタミンであるため体内にとどまりにくいという性質がありますので、アリシンと一緒に摂るのは効率的。
エネルギー代謝がしっかり行われることで、疲労回復につながります。
またアリシンの働きでは殺菌作用が強いことが知られていて、風邪の予防などにも摂っておきたい成分。風邪が心配な冬にたくさん食べられるねぎに含まれているのはうれしい効果です。
血栓を予防・改善してくれる効果、血中脂質を燃焼させることで血中コレステロール値を低下させる働きが知られていますので、コレステロール値の気になる方にもオススメしたい成分です。
発がん抑制効果も知られています。
最近わかってきたことに、ねぎの緑色部分に多く含まれるぬるぬるする成分「フルクタン」には、免疫細胞を活性化する効果があるのではないかということがあります。
免疫細胞のいくつかを活性化してくれるため、インフルエンザウイルスの侵入を防ぐといったことからがん細胞に打ち勝つことができるのではないかといったことまで期待されています。
冬に風邪を感じたらねぎを喉に巻いていた…なんて民間療法が、まるで見当はずれなことでもなかったと感じさせてくれる、面白い発見ですよね!
関東ではねぎというと白い部分を主に食べ、緑の部分は捨ててしまいがちですが、フルクタンの摂取にはぜひ緑色の部分も取り入れてください。
ねぎの選び方
根深ねぎであれば、根の白い部分に弾力があるか、巻きはしっかりしているかを確認しましょう。
葉ねぎの場合は緑色の鮮やかさや葉の伸び具合がまっすぐであるかを見て選びます。
保存の際はどちらも新聞紙でくるんで冷暗所に置きます。
根深ねぎは土付きで売られている場合もありますが、こちらの方が長持ちします。
ねぎの食べ方
硫化アリルは水溶性ですので、長い時間水にさらしたり、ゆでたりする調理では効果が半減してしまいます。鍋のように汁ごと食べる方法は良いでしょう。
食材は幅広く合うものがありますが、アリシンの持つビタミンB1の吸収を助ける働きを活かすには、ビタミンB1が豊富な豚肉との組み合わせが相性の良い組み合わせと言えそうです。
また軟白部分を使用した後の根深ねぎの葉部分は、肉の下ゆでのときに一緒に鍋に投入しておくと消臭効果が発揮されます。
ねぎ まとめ

関東・関西で食べる文化が違うとご紹介しましたが、関東の方でもお好み焼きの上にたっぷり乗せらせた青ねぎを想像すれば食欲がわくのではないでしょうか。
また関西の方も、鍋でねぎがとろけている様子はたまらないですよね。
生食と加熱時とは違った魅力を見せてくれる野菜ですので、地方色にこだわることなくお楽しみいただきたいと思います。